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2010/04/27

【決算】JSRの通期決算,石化の不振で減収減益も半導体材料やFPD材料は堅調

2010/04/26 19:50大森 敏行=日経エレクトロニクス  JSRは2010年4月26日,2010年3月期(2009年4月~2010年3月)の連結決算を発表した。売上高は前の期(2009年3月期)比12%減の3101億8300万円,営業利益は同33.3%減の202億3000万円の減収減益だった。特に,同社の柱の一つである石油化学事業は「1990年度にセグメント別決算報告を始めてから初めての赤字」(同社 専務取締役の春木二生氏)に陥った。
 経常利益は223億7700万円(2009年3月期比28.1%減),純利益は136億4400万円(同2.4%減)である。純利益の減少が小幅なのは,2009年3月期に特別損失を計上したためだという。
 石油化学事業は,売上高1696億4300万円(同17.7%減)で営業損失2億3000万円の赤字だった。自動車の生産調整の緩和でタイヤ向けの合成ゴムは回復基調だが,依然として低水準。紙加工用ラテックスは,塗工紙生産の減少で,売上高が大幅に落ちた。
 一方,同社が「多角化事業」と位置付ける,半導体製造用材料やFPD用材料などのファイン系事業は比較的堅調だった。売上高は1405億3900万円(同4%減),営業利益204億6000万円(同0.2%減)。売上高の内訳は,半導体材料が464億円(同8%減),FPD材料が612億円(同3%増),光学材料が118億円(同9%増),機能化学品材料が20億円(同11%減)である。
 半導体材料は,ノート・パソコンや携帯電話機の需要の回復に伴って売上高が回復してきたが,前半の落ち込みを補うには至らなかった。FPD用材料は,薄型テレビやノート・パソコンの需要増で好調。「中国の春節商戦が期待を下回った」(春木氏)ことから,今後FPDの在庫がだぶつく可能性もあるが,「テレビのLEDバックライト搭載や3D化などで,JSRの強みである高品質な材料が生きるはず」(同氏)とする。光学材料では,光ファイバ用コーティング材料が新興国向けで好調で,薄型テレビ向けの反射防止膜材料や表面保護膜用材料も新規採用が拡大しているという。
 決算発表会では,次期中期経営計画に向けて,今後期待できる製品も挙げた。省燃費タイヤ向けの「S-SBR」,LED関連材料の「LUMILON」,2次電池用の水系バインダ,子会社のJMエナジーが生産するLiイオン・キャパシタ(Tech-On!の関連記事)などである。

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