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2010/10/28

耐電圧性に優れた電気二重層キャパシタ(EDLC)用フッ素系電解液を開発


更新日:2010年10月27日 / 提供:共同通信PRワイヤー
平成22年10月27日

ダイキン工業株式会社

耐電圧性に優れた電気二重層キャパシタ(EDLC)用フッ素系電解液を開発
  〜電気自動車、風力・太陽光発電装置などのエネルギー分野での採用に期待〜

 ダイキン工業株式会社は、蓄電デバイスとして市場拡大が期待される電気二重層キャパシタ(EDLC:electric double-layer capacitor)※1 用として耐電圧性に優れたフッ素系電解液を開発し、11月からサンプル出荷を開始します。フッ素系電解液を使用することにより、3Vの高電圧で安定的に作動するEDLCの実用化が可能になりました。

 3VのEDLCは汎用の2.5VのEDLCに対してエネルギー密度を40%向上できます。例えばEV(電気自動車)に使用されているEDLCモジュールの大きさを40%小型化できるだけでなく、部品数を減らせるため、信頼性向上にも寄与します。

 従来、汎用のEDLCでは、設計電圧の2.5Vを超える高電圧作動時には、電解液の分解や劣化に伴う蓄電容量の低下、抵抗値の増大などの問題がありました。フッ素系電解液を使用した場合では、フッ素化合物の優れた特性である化学的安定性が発揮されることに加え、高電圧に合わせた電極構造の最適化も行うことで、作動電圧が3Vでも安定的に作動します。
 なお、この電解液は、韓国の電気二重層キャパシタ専門メーカーで、優れた生産技術を持つビナテック社※2の協力を得て、フッ素電解液を使用したEDLCを試作し、高温、高電圧作動時の耐久性評価を行い、実用性を確認しました。

 EDLCは、モバイル機器のメモリーバックアップ電源やパソコンの無停電電源装置※3および太陽光発電装置の電気貯蔵用などとして装置・機器に内蔵して使用されており、市場規模は世界で約500億円(株式会社JMRサイエンス調べ)です。
 エネルギー密度の向上により、今後は既存用途に加え、EV(電気自動車)、ハイブリッド車両(バス、フォークリフトなど)や風力発電装置、太陽光発電装置などのエネルギー分野での適用拡大が期待されます。

 当社は、2011年度にフッ素系電解液の販売を開始し、2015年度には、20億円の売上げを目指します。また、蓄電デバイス材料の用途開発を進め、リチウムイオン二次電池材料も含めた蓄電デバイス分野で2015年度には、100億円超の売上げを目指します。

以上

【補足説明】

※1 電気二重層キャパシタ
   (EDLC:electric double-layer capacitor)
   電気を貯める蓄電デバイス。活性炭電極(プラス、マイナス)と電解液とで構成される。充電時に、電極と逆電極の電解質イオンを電極の表面に物理的に吸着させ、電気二重層を形成して、放電時に離す原理を利用。リチウムイオン二次電池と比べて、電気容量は小さいものの充電や放電速度が極めて速く、充電・放電の際に化学反応を伴わないため、電極の劣化がほとんどなく、半永久的に使用できることが特徴。

※2 ビナテック株式会社の概要
   1)本  社:韓国 軍浦市
   2)代 表 者:CEO ソン・ドギョン
   3)会社設立:1999年
   4)資 本 金:12億ウオン(約87.2百万円、100ウオン=7.27円換算)
   5)売 上 高:2009年度 160億ウオン(11.6億円、同換算)
   6)事業内容:エネルギー事業(EDLCなど)、光応用事業(LEDを利用した照明モジュール)の製造・販売、半導体の流通

※3 無停電電源装置
   (UPS:uninterruptible power supply)
   落雷による停電や不意な電源オフにより電気の供給が切れた場合でも、一定時間電力を供給し続ける電源装置。

●お客様からのお問い合わせ先
 ダイキン工業株式会社 化学事業部 開発営業部
 【本  社】〒530-8323 大阪市北区中崎西二丁目4番12号(梅田センタービル)
             TEL (06)6373-4342(ダイヤルイン)

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