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2011/01/19

コスト下がるアイドリングストップ機構~キャパシタに代えてDC-DCコンバータをECUに一体化~

2011/01/18 20:29林 達彦=日経Automotive Technology  昨年の日産自動車「マーチ」に続いて、アイドリングストップ機構を搭載する車種が相次いでいます。例えば、ダイハツ工業の「ムーヴ」や、トヨタ自動車の「ヴィッツ」などです。
 
 ダイハツやトヨタは、以前から同機構を実用化しており、最近のムーヴやヴィッツのシステムは第2世代ともいえるものです。以前は、同機構が一般的でなかったため、様々な場面を考慮して多くの部品を搭載し、コストも高くなりがちでした。
 
 例えば、ダイハツが2006年にCVT(無段変速機)車に同機構を組み合わせた「ミラ」では、アイドリングストップ車用の専用部品として、バッテリ、スタータ、専用ECU、ブレーキ油圧ホールド機構、CVT用の電動油圧ポンプ、始動時の瞬間的な電圧低下を防ぐ電気二重層キャパシタなどを搭載していました。また、従来のヴィッツでは、エンジンを再始動するためにLiイオン2次電池を搭載していました。
 
 一方、2010年11月に発売したダイハツの新型ムーヴは、従来ミラに搭載していたものに比べて同機構の部品点数を大幅に削減し、原価を7割コストダウンすることに成功しました(関連記事)。また、2010年12月に発表した新型ヴィッツも、横滑り防止装置と組み合わせた価格を6万円と安く設定した新システムを投入しています。
 
 ダイハツの新システムでは、バッテリとスタータは従来ミラで採用したものを踏襲しながら、電動油ポンプを廃止、キャパシタに代えてDC-DCコンバータをECUに一体化、ブレーキ油圧ホールド機構を専用のソレノイドバルブからABSに組み込んだものに変更しました。また、トヨタの新システムでは、Liイオン2次電池を省くことでシステムを低価格化しています。スタータモータには、エンジンにつながったリングギアにスタータモータのピニオンが常にかみ合っている常時かみ合い式スタータを採用することで、始動時間を従来の0.6秒から0.35秒に早くしています。
 
 今のところ、ダイハツの方法が電動油ポンプが不要で、スタータモータも通常の飛び込み式であることから最もコストに有利といえそうです。トヨタの方式はスタータモータがエンジン側から回されないように一方向クラッチを設ける必要があり、エンジンの改良も伴うため、排気量1.3Lエンジン以外への適用はこれからです。
 
 今後、アイドリングストップ機構はますます普及が望まれますが、2010年12月に横滑り防止装置の義務化が決まったこと(新型車は2012年10月、継続生産車は2014年10月から、軽自動車の新型車は2014年10月から)が一つの追い風になりそうです。CVT車や自動変速機(AT)車ではエンジンを停止するとクリープ力がなくなるため、坂道でのずり下がりを防ぐブレーキ増圧機能を設ける必要がありますが、横滑り防止装置があればこれが簡単に実現できるためです。
 
 さらに、2011年1月のデトロイトショーでデンソーが展示した新しいスタータモータも今後のシステムとして注目されます。これは通常品と同じくピニオンがリングギアに飛び込む方式ながら、エンジン停止中にも再始動ができるもの(関連記事)。常時かみ合い式の特徴を、エンジン側の改良をせずに実現できる可能性があります。第3世代に向けてアイドリングストップ機構はまだまだ進化しそうです。
 
 

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