amazon

twitter

※twitterでUCニュース配信はじめました。ユーザー名 a77a フォロー自由です

2009/02/04

未来派の3輪電気自動車『2e』、今秋発売へ


http://wiredvision.jp/news/200902/2009020423.html
2009年2月 4日
未来の自動車が、すぐそこまで来ている。

米Aptera Motors社が、電気のみを動力とする2人乗り3輪自動車『2e』の最初の試作車を披露した。燃費効率は、ガソリン車換算で200マイル/ガロン(リッターあたり約85キロメートル)に相当し、1回の充電で100マイル(161キロメートル)を走行できる。

南カリフォルニアに本拠を置く新興企業Aptera社にとって、この試作車の完成は大きな節目と言える。同社は、今年のハロウィーン[10月31日(米国時間)]までに一般道を走行可能なモデルを世に送り出す計画であり、[次世代低燃費車のコンテスト]『Progressive Automotive X Prize』(日本語版記事)の賞金1000万ドルを獲得できる望みも出てきたようだ。

Aptera社最高マーケティング責任者(CMO)のMarques McCammon氏は、「すべてが順調に進行しており、10月の初めには2eの本格的な生産を開始する手はずになっている」と話す。

「超効率的で燃費がよい自動車を、快適性と安全性を犠牲にすることなく製作するというわが社の目標は変わりない。この秋、カリフォルニアの人たちにこの車のハンドルを握ってもらえれば、通勤の風景が一変するだろう」

この数ヵ月の間に、大手、小規模を問わず、自動車メーカーが自動車の新しい進化の形として電気自動車(EV)に注力していく流れが明確になってきている。

1月にデトロイトで開催された北米国際自動車ショーでは、ほとんどの大手自動車メーカーがEVのコンセプト車を発表した。米Ford Motor社や米Chrysler社などは、2010年には充電用のコードがついた車の投入を始めるとしている。米Tesla Motors社は1年ほど前からオール電力の『Tesla Roadster』の生産を始めており、米Fisker Automotive社も、8万7900ドルのプラグイン・ハイブリッド車を2009年秋にも生産開始すると話している。

しかし、これらの車はどれも、先端的なドライブトレイン(駆動系)を備えているものの、外観は従来の車と変わらない。これに対し2eは、自動車業界に2つとないユニークな外観をしている。

2eが劇場版『スタートレック』の最新作(日本語版記事)[米国で5月8日公開予定]にゲスト出演を果たしたのも、それが理由なのかもしれない。3輪でスマートなデザインの2eは、ミスター・スポックが乗り回してもおかしくない外観に見える。

2eはリチウムイオン・バッテリーを搭載した電気モーターで駆動し、時速60マイル(約97キロメートル)までの加速時間は10秒を切る。最高スピードは時速約90マイル(145キロメートル)だ。2eが走行性能を売りにする車でないことは明らかだが、200マイル/ガロン相当の燃費が得られるとしたら、そんなことを誰が気にするだろうか? 

2eの驚異的なエネルギー効率を実現するためには、ボディを可能な限り滑らかにすることが不可欠になる。Cd値(空気抵抗係数)はおよそ0.15で、2eのエアロダイナミクスは米General Motors(GM)社の『EV1』を凌ぎ、過去の量産車の中で最高を誇る。

2eは車体重量も770キログラム強と超軽量で、これもまたエネルギー効率に貢献している。しかし心配は無用だ。フロントの緩衝部、乗員を守るレースカーのようなセーフティセル構造、そしてエアバッグが、車内の全員を守ってくれる。また、Aptera社によると、車内には買い物袋でおよそ15袋、ゴルフクラブで2セット、サーフボードで1枚を入れるのに十分な空間があるという。

Aptera社の最高経営責任者(CEO)を務めるPaul Wilbur氏は、「世界初の、安全で手ごろな価格のオール電力自動車を市場に送り込む」と述べているが、EVの場合は手頃な値段と言っても相対的な話であり、2eの価格は2万5000〜4万5000ドルになるとみられている。

この価格帯には、トヨタ自動車のハイブリッド車『プリウス』の次世代モデルや、航続距離延長型電気自動車(E-REV)であるGM社の『Chevrolet Volt』、そして米国に投入されるかは現在のところ微妙な、三菱自動車の電気自動車『i MiEV(日本語版記事)』などの一般市場向け乗用車が含まれる。

いずれにしろ、流線型のボディが目を引く2eが、今後9ヵ月で実用化にこぎ着けられれば、この車は一般市場向けの比較的手頃な価格のEVとして、いち早く登場することになる。そうなれば、賞金1000万ドルを掲げるX-Prizeが、技術革新を後押しする力を持っていることの証明にもなるだろう。

創立から3年になるAptera Motors社は、燃費100マイル/ガロンを超える量産可能車を世界に先駆けて製作した者に与えられるX-Prizeを争うチームの1つであり、米Google社や米Idealab社などが出資している。

X-Prizeに参加を表明したチームは少なくとも20にのぼっている。[同意書にサインしたチームは100を超える]。

2eの最初のモデルはオートバイに分類され、発売地域もカリフォルニア州に限られる。しかし、Aptera社は2eを全米展開し、それから新モデルに着手したいと考えている。「われわれは、日々のドライブを一新したい」とWilbur氏は期待を語っている。

[以下の動画は2eのコマーシャル]



[日本語版:ガリレオ-緒方 亮/長谷 睦]


0 件のコメント: