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2008/02/23

温暖化とULTRACAPACITOR

§1 明るい未来をあきらめない人々
1-1 明るい未来

2007年2月3日付けインディペンデント紙の記事をまず紹介する。
―引用開始― 地球の気温が現在から2,4度上昇した場合、北アメリカでは新しく発生した埃の塊が、アメリカ中心部、ネブラスカ州を中心とした高原を砂漠化する。南はテキサス州から北はモンタナ州まで、北米の5つの州にわたって砂丘が出現することで、農業や牧畜が消滅する。グリーンランドの氷床の溶解が止まらす海面上昇が加速、環礁国や低地デルタ地帯を海に沈めることになる。ペルーではアンデス山脈の氷河が消え、1000万人が水不足に直面する。海水の温暖化は、グレート・バリア・リーフを消し去り、熱帯からサンゴ礁が実質的に消滅することになる。世界中で3分の1の生物種が絶滅する。
 3,4度の上昇で、アマゾンの熱帯雨林で、壊滅的な森林火災が起こり、南米大陸を灰と煙で覆う。煙が晴れると、ブラジル国内は沙漠と化し、大気中に放出された膨大な余剰炭素が、さらに温暖化を進める。北極の氷冠は下記には消滅し、ここ300年で初めて、北極に氷のない状態ができる。北極グマ、セイウチ、そしてワモンアザラシが絶滅する。
カリフォルニアでは、シエラネバダ氷原の溶解で水不足が起きる。南アフリカを越えてカラハリ砂漠が拡がり、数千万の人々が立ち退きを余儀なくされる。
 4,4度上昇すると、北極圏の急激な温度上昇で、シベリアの永久凍土が溶解、膨大な量のメタンと二酸化炭素を放出する。世界の気温はその結果、急速に上昇を続ける。氷冠の溶解と海面上昇は、バングラデシュ、ナイル川デルタ地帯や上海などで、1億人の人々が立ち退きを余儀なくされる。熱波と干ばつは、生活に適さない亜熱帯地帯をさらに生み出し、スペイン南部、イタリア、ギリシャで砂漠化が進むため、ヨーロッパでも大規模な人の移動が発生する。野生生物の半分は絶滅し、それは恐竜時代以来最悪の大絶滅となる。
オーストラリアの農業は崩壊する。
 5,4度の上昇で、南極大陸西部の氷床が崩壊し、さらに5メートルの海面上昇が地球規模でおきる。もしこの気温が持続すれば、地球全体から氷がなくなり、現在よりも海面が70メートル上昇する。ヒマラヤの氷河が消え、インドやバングラデシュでは、モンスーンが何百万人もの人々を襲う。スーパーエルニーニョが発生、世界的な気候混乱を招く。人類のほとんどが、高温地帯を避け、極地近くへと移動し始める。何千万人もの難民がスカンジナビア半島やイギリス諸島へ押しかける。世界の食料供給は尽きる。
 6,4度上昇すれば、海洋の温暖化は、海洋堆積物に閉じ込められているメタン・ハイドレートの放出を招く。メタンの火の玉が空を引き裂き、さらなる温暖化を引き起こす。海は酸素を失って停滞し、猛毒の硫化水素ガスを放出してオゾン層を破壊する。砂漠はほとんど北極圏にまで到達する。想像もつかないほどの凶暴なハリケーンが地球を周回し、射流洪水は土壌をはぎ取る。人類は、極地に逃れて生き延びたわずかな数に減る。地球はこれまで何億年も経験しなかったほどの高温となり、ほとんどの生命は吹き消されてしまう。―引用終わり―

産業革命以降のわずかな期間に人間が化石燃料を燃やし自動車を走らせ、タービンを回し電気を作り、快適な生活を謳歌しすぎたことが最大な原因だ。すでに温暖化は止めることは出来ないが、それを破滅的なレベルの直前で留まらせることはできるかもしれない、とIPCCは言っている。私たちは自動車が使用することも出来ない、つまり物流がなくなり食料、生活物資の融通が困難になるような事態になるまで、行動を起こさないのだろうか? 電気をつけることが不可能な生活を経験するまで、見てみないふりを続けてしまうのか? 私たちは一体どうしたらいいのか?勿論、家庭の省エネに気を使う。確かに大切だが、残念ながらそれだけではインパクトは少ないのが現実だ。個人の「力・お金」の力だけに頼っていては温暖化はどうしようもない。国の「力・お金」が必須なのである。温暖化の主な原因はCO2。排出の原因はいくつもあるが、主な2つは、「①運輸交通」、「②発電」。温暖化を乗り越えるための最新の科学技術の現況を本稿で紹介する。しかもそれら新技術は多様な新規産業を創設し新たな価値も生み出す。明るい未来は選択可能なのだ。今、世界中で、特にEUでは「破滅」を出来うる限り阻止しようと、行動を起こす人々、国家が現れている。その一つの試みが、ultracapacitorという新しい蓄電技術である。

1-2 ULTARACAPACITORとは

これまで電気は貯められないとされてきた。と聞くと、一般の人は、「えっ?電池があるけど?」と思うだろう。
しかし電池は小電力の電気製品に使用されているが、本質的に寿命が短い。 そのためライフサイクルの観点ではエネルギーを浪費しているため、電気を貯めて効率的に利用しているわけではない。それは持ち運び可能な臨時の電気として活用できるため価値がある。つまり重要な生活インフラである電力送電網では電気は貯められないとされてきたのだ。
そのため多くの損失をだしながら、送電網がはりめぐらされ使われている。

また、例えば、再生可能エネルギーが大規模に活用できないと馬鹿にされてきたのも、電気は貯めることが出来ないとされてきたからだ。太陽光発電は太陽が照っている時だけしか発電できないではないか、夜は結局、送電網、つまり、火力発電か原発の電気に頼るわけだろう、しかも、曇りや雨の日も、送電網に頼るのだろう、と。そんないい加減な電源は信用できない。と、電力事業者は太陽光発電や風任せの風力発電を馬鹿にしてきた。

しかしここ数年、電気は貯められると言われ始めている。注目され始めているその技術はULTRACAPACITOR(ウルトラキャパシタ)である。ULTRACAPACITORは巨大なエネルギーを貯めることができるコンデンサである。
コンデンサとは電子部品の、例のちっちゃな部品である。それはこれまで大量のエネルギーを貯めることは出来ないと思い込まれてきたが、そうでもないと、世界中で実際に開発されてきている。コンデンサというのは一般の電池とは違い、化学反応でエネルギーを変換して貯めているわけでないので、劣化が非常に少なく、長寿命で、急速充電も可能だ。これは電池では原理上困難な特徴である。

ULTARACAPACITORは急速充電が可能なため、これまで熱として捨てていたブレーキエネルギーを充電することも可能になる。これを回生エネルギーの蓄電と言う。

また太陽光発電や風力発電の電気を効率的に貯めることも得意だ。太陽光発電では陽が弱い場合でも発電しているのだが、これまでの電池では微弱な電流は充電できない。しかしULTRACAPACITORはコンデンサであるので、どんな微弱な電流でも蓄電可能だ。また風力発電は大きくなればなるほど、非常な大きい電流を発生するので、これも電池では充電できなかった。電流が大きすぎると電池はこわれてしまう。しかしultracapacitorは大電流をやすやすと溜め込むことが出来るのだ。


1-3 ULTRACAPACITORの種類
Ultaracapacitorは現在、主に以下の種類が開発され、実用化がまさに始まろうとしている。
(1)電気二重層キャパシタ(パワーシステム、ホンダ、日産ディーゼル、日本ケミコン、MAXWELL社、EZMA社、他数十社)
(2)ナノゲートキャパシタ(パワーシステム、日本電子)
(3)リチウムイオンキャパシタ(富士重工、日本電子、他数社)
(4)チタン酸バリウムキャパシタ(EEstor社)(※H-repo4で詳細解説)・・これがずば抜けてすごい!
(5)ウルトラバッテリー(古河電池)
(6)カーボンナノチューブキャパシタ(マサチューセッツ工科大学、日本ケミコン)

(※最近のNEWS例)2008年2月8日三菱電機が電気二重層キャパシタに参入
日経BPWEBより(http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080208/147193/


1-4  ULTRACAPACITOR~①運輸部門での大きな役割
自動車については世界各国で新しい技術が生まれてきた。
メタンガスバス(アイスランド)、燃料電池バス(各国)、リチウムイオン電池バス(中国)、キャパシタ-ハイブリッドバス&トラック(日本、アメリカ)、
キャパシタバス(中国)、リチウムイオン電池自動車(世界各国・日本では富士重工、)など様々。
また、電車でも回生を活用しようと動きが始まった。世界中で様々な新しい回生活用省エネ技術が現実に走り始めている。
特に中国では北京五輪を控え、世界に環境の中国をアピールしようとしている。 その一つの策として、バスなど公共交通について、キャパシタバスをいきなり営業運行を始めている。

米MAXWELL社や露ESMA社からキャパシタ技術を吸収し、中国独自でもキャパシタを製造できる能力を持ったと見られる。これらの技術が世界の「すべて」の車両に使用されることのよってどれほどの二酸化炭素削減効果になるのだろうか?まだ誰も計算したことがないが、驚くべきインパクトを持つだろう。

(例1):日産ディーゼル・キャパシタハイブリッドトラック・30%のCO2削減効果:親会社はvolvo(スウェーデン)
(日産ディーゼルホームページより)http://www.nissandiesel.co.jp/ECO/LOW_ENV/capacitor.html



(※例2)2008年2月22日 日経朝刊の記事
―引用開始―古河電池など自動車用、電池寿命4倍、走行実験で実証。
 十六万キロメートルの走行で自動車用新型電池の性能を実証――。古河電池と豪州の連邦科学産業研究機構は、共同開発した新電池を自動車に搭載し、充放電を繰り返す寿命が現行の鉛蓄電池の四倍に高まることを確かめた。ハイブリッド自動車への搭載や自然エネルギーの蓄電などの応用を見込んでいる。 新型電池は「ウルトラバッテリー」といい、鉛蓄電池と電気を一時的に蓄えられるキャパシタを組み合わせた。ホンダのハイブリッド車のニッケル水素電池部分をウルトラバッテリーに取り換え、英国で約一年をかけて走行実験を繰り返した=写真、豪連邦科学産業研究機構提供。 これまでの模擬実験から寿命は鉛電池の四倍になるとみていたが、その性能を確認できた。搭載コストはニッケル水素電池の三割程度にとどめられる見通しで、ハイブリッド車普及のネックになっている高価格を解消する有力な手段になると期待している。古河電池は早ければ今秋にも商品化する計画だ。―引用終わり―



また、運輸部門と同様に建設機械、重機、産業機械などでも省エネ技術はもう打ち止めだと思われていたが、これらの新たに蓄電装置によって「回生エネルギーの有効活用」という新手の省エネ対策が可能になってきた。


(※コマツのキャパシタフォークリフトが経済大臣賞受賞)コマツプレスリリースより
引用開始―2008 年2 月5 日 発行No.325 
バッテリーハイブリッドフォークリフト「ARION HYBRID」、優秀省エネルギー機器表彰 経済産業大臣賞を受賞
~「日経優秀製品・サービス賞」優秀賞とのダブル受賞を達成~
コマツユーティリティ株式会社(社長・礒田進)およびコマツ(社長・野路國夫)の共同開発によるバッテリーハイブリッドフォークリフト「ARION HYBRID(アリオン・ハイブリッド) 」が、社団法人日本機械工業連合会主催の平成19年度(第28回)優秀省エネルギー機器表彰において最高賞「経済産業大臣賞」を受賞いたしました。当機種は、ハイブリッド機構を搭載した世界初のフォークリフトとして2007年5月の発売以来高い評価を得ており、今回の表彰は、日本経済新聞社主催の「2007年度日経優秀製品・サービス賞」優秀賞に続く受賞となります。ARION HYBRIDはバッテリーとキャパシターの2系統の電源を搭載し、減速・前後進切替時に発生するエネルギーを効率よく回収・再利用することで、最大20%(従来当社バッテリー車比)の省エネルギーを達成しました。インバーター急速充電器やシールバッテリーの搭載とあいまって、バッテリー車にありがちな「パワーダウン」「稼動時間の短さ」「メンテナンスの煩雑さ」も解消し、著しい省エネ効果だけでなく作業能力・機能性においても在来機種を大きく凌駕した画期的な新商品です。当商品の中枢には、コマツの研究・開発陣とコマツユーティリティ設計部門の技術を結集した、独自のハイブリッド駆動システムを搭載。過酷な稼働環境下でも高い耐久性・信頼性を発揮しながら、コンパクトな設計により、同じ荷重能力の標準バッテリー車と変わらない車体サイズを実現しました。省エネルギーをはじめとする地球環境保全活動は、今や社会全体が取り組むべき喫緊の課題になっています。加えて産業界においては、昨今のエネルギー価格高騰に伴って、ランニングコスト削減ニーズが日増しに高まっています。コマツユーティリティは、省エネルギー型産業車両メーカーのトップランナーとして、より環境に優しく、高い機能を備えた商品の開発を進めてまいります。―引用終わりー


1-5 ULTRACAPACITOR~発電部門での大きな役割
「発電部門」については、再生可能エネルギーの活用を多くの人は願っている。ピークオイルのエンジンがかかり始めた今、最後に残るのは再生可能エネルギーしかない。例えばウランも結局は枯渇する。しかし再生可能エネルギーは不安定(欲しいときに自由に使えない)でメインとなれないと言われてきた。しかしそれを一旦蓄電しておけば不安定ではなくなる。最近そのような技術の開発も始まった。その技術もultaracapacitorである。例えば太陽光発電にキャパシタを活用した道路鋲、街灯は商品化が始まっている。南極でも活用が始まった。コストさえ差が得れば、将来は一般家庭への導入が望まれている。
風力についてもキャパシタとの相性が良い、有力キャパシタベンチャーの米・maxwell社は、世界有数の風力メーカーのエネルコン社と組んで、風力とキャパシタのシステムを作り始めた。

(※最近のNEWS例)
―引用開始―
琉球新聞2008年2月22日朝刊http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-31565-storytopic-4.html
沖縄電力、NEDOの事業受託:太陽光発電と電気二重層キャパシタ(明電舎)のシステムをラオスで開発
沖縄電力は21日、NEDOの太陽光発電システム等国際共同実証開発事業を受託し、ラオスで太陽光発電の実証開発に取り組むと発表した。事業期間は2007年10月から10年3月まで。事業総額は6億円。一部業務を沖縄設計(浦添市)と明電舎(東京都)に再委託する。ラオスなど雨期と乾期で日射量や河川の水量が大きく変動する地域では、太陽光発電と小水力発電を組み合わせたハイブリッドシステムが有望視されている。今回は充放電が可能な電気二重層キャパシタ(電力貯蔵機器)による調整と、小水力発電による出力調整により、安定的に電力が供給できるシステムの開発を目指す。―引用終わり―

(※坂本龍一さんのコメント・・2005年、キャパシタをツアーで使用したときのビデオ)




笑顔の未来へ

何だか、あの、もう明るくてさ 肉体だよ肉体 東京中の電気を消して 夜空を見上げて 
かわいがってるぶざまなたましい さらしてみてえんだ 
てれびずけ おもちゃつけ こんな感じで一日終っちまうんだ また 飛び立つために今日は寝てしまうんだ
電車の窓に映る俺の顔 幸せでも不幸でもなかった 唇から宇宙流れてく日々に 
ほんとの俺を見つけてえんだ ありふれためろでい 抜けられるセオリー かばんに詰め込んで
俺も又でかけよう あいつらがいるからあ 明日も又でかけよう 友達がいるのさ 明日も又でかけよう
あいつよ またでっかいことやろうとしてるらしいぞ おい
東京中の電気を消して 夜空を見上げて お祭りの日を待つ子供のように 待ち続ける俺を笑いてえんだ 
最高のめろでい 終りねえすとり 五感にしみこんで 明日またでかけよう まち??きたしたら
明日も又でかけよう あいつらがいるから 俺も又でかけよう おれはうまくやるさ 明日も又でかけよう
・・・・
歩いてていくぜ 又でかけよう 明日もあさってもその次の日も 東京中の電気を消して 夜空を見上げて 
歩くのはよ 歩くのはいいぜ ゆっくりさ ゆっくりいこうよ いやいや 走れ 時間が無い 走れ
東京中の電気を消して 夜空を見上げて 歩いてゆこう 生きてゆくってことはたたかうってことだ

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