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2009/04/22

東京のタクシーを“チェンジ”電気自動車 ベタープレイス タクシー ビジネスモデル


http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20090205/185082/
「ミスター外資」が電気自動車に殴り込み
中原 敬太(日経ビジネス記者)
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 ミスター外資系――。独ソフト最大手SAPや「ルイ・ヴィトン」で有名なLVMHモエヘネシー・ルイヴィトンで日本法人の社長を務めた後、ビジネスの表舞台から姿を消していた藤井清孝氏が帰ってきた。舞台として選んだのは、電気自動車のインフラビジネスだ。

 昨年12月9日、環境省が開いた電気自動車の実証実験の記者会見。斉藤鉄夫環境相やレーシングドライバーの片山右京氏らと肩を並べてカメラに納まる藤井氏の姿があった。

 三菱自動車や富士重工業などと、この実証実験に参加するのが米ベタープレイス。2007年に設立されたベンチャー企業で、今回の企画では横浜市に充電スタンドを設置する。

 ベタープレイスは、既にルノー・日産自動車連合と組んで、イスラエルでの電気自動車のインフラ構築に着手しているほか、デンマーク、豪州、米国などでも同様の計画を進めている。CEO(最高経営責任者)のシャイ・アガシ氏はSAP出身。藤井氏がSAP日本法人社長時代の本社経営陣の1人だった関係から、ベタープレイスの日本・アジア太平洋地区代表として藤井氏を指名した。


携帯電話に似たモデル

 「携帯電話のようなもの」。藤井氏はベタープレイスのビジネスモデルをこう説明する。


充電スタンドのイメージ
 まず利用者は毎月、一定の基本料金を支払い会員となる。すると電気自動車用バッテリーが貸し出され、さらにベタープレイスが設置したスタンドで充電できる。その使用量に応じて、課金されるという仕組みだ。確かに端末の値段よりも、通話料金で儲ける携帯電話のビジネスモデルに近い。

 これにより電気自動車を普及させるための、2つの課題を克服できるという。1つは、電池のコスト負担の軽減だ。電気自動車用の電池の価格は依然として高い。電池のコストを低減するには量産効果が必要だが、大量に生産するには価格を引き下げなければならないという矛盾に突き当たっている。

そこで、ベタープレイスは各国の電力会社などから出資を仰ぎ、集めた資金で電池を一括購入して調達コストを引き下げる。安く調達した電池を電気自動車の利用者に貸し出すことで、費用負担を軽減する。

 課題の2つ目は充電時間の短縮だ。ベタープレイスのスタンドでは、コンセントに接続して充電するのではなく、あらかじめ充電された電池との交換を基本とする。そのため、利用者がスタンドで長時間待たされる必要はない。

 とはいえ、本当に日本全国にインフラを整備できるのか。


「まずは東京のタクシーから」と語る藤井清孝氏
 そんな疑問に対し、藤井氏が披露したアイデアの1つが「東京のタクシーをすべて電気自動車にする」というものだ。最初から一般の乗用車を電気自動車に変えるのは容易ではないが、タクシーなら、自治体の協力さえあれば、切り替えは可能だと算盤を弾く。

 自治体としては、環境対策に熱心であることをアピールできるうえ、タクシーが燃料として使っているLPG(液化石油ガス)の給油設備は老朽化しているところが多いため、充電スタンドに置き換える名目も成り立つ。

 電気自動車の特徴の1つは、エンジン音のない静かな走り。タクシーが電気自動車に変わることで、「乗客が乗り心地の良さを体感することが、普及に向けた大きな一歩になるはず」と期待を寄せる。


政府や自治体を動かせるか

 「日本にとって次世代自動車こそ、次の輸出可能なビジネスモデル」。外資系企業を渡り歩き、資本市場を知り尽くした藤井氏の鼻息は荒い。しかし今回は、電気自動車や電池のメーカーなど民間企業との関係だけでなく、政府や地方自治体の優遇策も引き出さなければ、展望は開けない。

 「日本版グリーンニューディール」を追い風に、どこまで日本の電気自動車化で主導権を握れるか。その手腕が試される。


 2009年2月9日号93ページより


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