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2008/09/04

日産のハイブリッド1号は「スカイライン」「小型車並み燃費」をアピール


スカイラインをベースにしたHV試作モデルの車両

http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20080829/169216/
2008年9月3日 水曜日 池原 照雄
日産自動車が2010年度に日米で発売する自社開発のハイブリッド車(HV)の試作モデルを公開した。筆者が注目していたベース車両は、V6型3.5リッターエンジンを搭載した「スカイライン」だった。
言うまでもなくスカイラインはFR(前部エンジン後輪駆動)のハイパフォーマンスカーであり、走りと高い燃費性能の両立を狙う。もっと下のクラスかと想定していたが、後発のハンディを補うには賢明な選択かもしれない。

 2次バッテリーは、トヨタ自動車とホンダのHVに採用されているニッケル水素電池よりもエネルギー密度や単位容量当たりの出力を高められる「リチウムイオン電池」を搭載している。

 システムは、エンジンとモーターの両方を動力に使用する「パラレル方式」で、ホンダと同じ。ただし、ホンダがエンジンの出力軸(クランクシャフト)とモーターを一体的に配置するのとは異なるレイアウトにしている(一方トヨタは、モーターを2基搭載する「シリーズ・パラレル併用方式」を採用。この方式では、モーターの1つはもっぱらエンジンの動力で発電する役割を担う。シリーズ式というのは、エンジンを走行のための動力に使わず、発電機を回す方式であり、バッテリーに蓄電し、その電気でモーターを回す方式。この機能とパラレルを合体させたのが「シリーズ・パラレル方式」である)。

 日産はエンジンとモーター、モーターと変速機(トランスミッション)の間に、それぞれクラッチを配している。モーターによるEV(電気自動車)走行時と、減速時のエネルギー回生時にはエンジンとモーターの間のクラッチは切り離され、エンジンも停止させる。

 変速機からはトルクコンバーターを取り除いている。このためエンジン走行時と、それにモーターアシストが加わるフル加速時にはエンジン、モーター、変速機が機械的に連結される。加速レスポンスを追求した機構だ。

 モーターを挟むようにクラッチを置くのでスペースはかさむ。床下のスペースが使えるFRだからできるシステムだと思う。日産関係者によると、独ポルシェが独VW(フォルクスワーゲン)とともに開発しているポルシェ向けのハイブリッドも類似の方式になるという。


試乗して味わった「すごい加速感」

 日産の追浜テストコース(神奈川県横須賀市)で、試作HVのハンドルを握る機会を得た。わずか1キロ余りの試乗コースだったが、短い直線路で時速120キロまで出すことができた。

 かつて、同じV6型3.5リッターエンジンを搭載したトヨタのHV「レクサスGS450h」にも試乗したことがある。ともにわずかの距離なので、どちらも「すごい加速感」だけが印象に残った。

日産は試作HVのモーターや電池の仕様は、まだ明らかにしていない。しかし、発進から低速走行時などEV走行の範囲が極めて広かった。開発担当者によると、充電量が十分な時は、発進から緩やかにアクセルを踏んでいくと時速80~100キロくらいまではEV走行が可能だという。

 リチウムイオン電池の搭載によって、モーター駆動の範囲を大幅に広げることができたということだ。その分、燃費性能もよい。同社の小型車である「ティーダ」並みという。ティーダの10・15モード燃費は、リッター19.4キロ。

燃費より走りに振った感のある「レクサスGS450h」の10・15モード燃費は14.2キロなので、「スカイライン」ベースの日産HVが、こと燃費性能では大きくリードすることになる。

 日産の開発部門を担当する山下光彦副社長は、自社開発HVの第1号モデルのベースをFRの上級車にした狙いについて、「動力性能などハイブリッドの良さがこのクラスでは出しやすいから」と説明する。同時に、小型車に展開するには「コスト面の厳しさ」があることも明かす。

 日産は、1999年からの経営再建途上で、ハイブリッド技術の開発を一時凍結した。現在、米国市場で主力中型セダンである「アルティマ」にHVを設定しているが、システムはトヨタから購入している。

 コスト低減につながる技術ノウハウや量の追求ではトヨタとホンダに水をあけられている。そうしたリードをカバーするには、まずは上級モデルへの搭載が妥当だろう。ただ、HVのバリエーションを拡充するには、小型のFF(前部エンジン前輪駆動)に適したシステム開発も急がねばならない。









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