2010/09/07 17:14浜田 基彦=日経Automotive Technology
JSR、東京エレクトロン、イビデンの3社は、「次世代LIC総合技術研究組合」を設立した。3社の技術を結集し、回生・再生エネルギ有効活用の鍵となる蓄電デバイスである次世代Liイオンキャパシタ(LIC)の開発に取り組む。JSRは幹事会社であるとともに、エネルギ密度を高めるための材料開発と材料評価技術の開発、セル・モジュールの設計開発と評価技術の開発を担当する。東京エレクトロンは生産コスト削減のための製造装置システムを開発する。イビデンはエネルギ密度を高めるためのパッケージ開発とセル実装技術開発を担当する。
有力な蓄電デバイスとしては、ほかにリチウムイオン電池(LIB)がある。LIBに比べ、LICは急速な充放電ができ、特にエネルギ回生用途に適している。現在、LICは瞬時に大きなエネルギが得られる特徴を活かし、瞬時電圧低下を補償する装置などの産業機器に採用されている。
今回の技術研究組合では、LICの適用範囲を拡大し、さらに成長すると予想される自動車、太陽光・風力発電などの環境・エネルギ分野での事業拡大を図る。2012年度までの3年間で、革新的なセル構造、新しい材料などを使った独自の組み立て技術を展開し、エネルギ密度を現行のLICの約5倍に向上させた製品の実現を目指す。LICは、LIBとの併用も可能であり、幅広い分野への展開が期待される。
なお、この組合の活動は独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のイノベーション推進事業「次世代戦略技術実用化開発助成事業」の助成対象(2010~2011年)として採択されている。東京都港区、三重県四日市市を拠点とし、事業予算は2010~2012年度の3年間で約7億円。
続きを読む...