◆適用製品、幅広がる
電気二重層キャパシタは高い出力の電力を瞬時に充電・放電する特性がある。このため、従来は熱として捨てていた鉄道や産業機械用モーターの回生電力をキャパシタにため、動力源として有効利用する方法や、工場設備に設置する瞬時電圧低下補償装置などに適する。大容量の電力を長期間充放電する蓄電池と接続してハイブリッド型にし、短周期と長周期の出力変動要素を持つ新エネルギー設備の出力平準化に役立てる計画もある。 1台でハイブリッド機能を持つ電気二重層キャパシタを試作したのは三菱電機が初めて。大きさは縦15センチ、横10センチ、厚さ10ミリメートルほど。抵抗値が低く短時間で高い出力の電力を流せる薄型電極と、大容量の電力を比較的長時間流せる厚型電極を1つのセルの中で接続し、実現した。電極の厚さはそれぞれ100マイクロメートル(マイクロは100万分の1)、400マイクロメートル。定められた条件で寿命試験を行い、商用品レベルの15年の寿命は確保できる見通しが立った。 ハイブリッド型の電気二重層キャパシタを使えば回生電力の利用時間が広がり、また通常動作時の電力供給にも活用できるため、適用できる製品の範囲が広がる可能性がある。三菱電機は開発した瞬発型電気二重層キャパシタとともに、ハイブリッド型のコスト低減や寿命延長を狙い、商用化を目指す。関連会社でキャパシタ大手の指月電機製作所への技術供与も視野に入れる。
【電気新聞 2008/03/19】
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