http://japan.internet.com/finanews/20090203/7.html
為替相場が大幅な円高局面にあり、JP モルガン・チェースのアナリスト、郭彦麟氏は昨日(2日)、「Nokia は日系企業以外からの部品調達を増やす予定だ。Silitech(コウ暉)などが最大の利益を獲得するだろう」と指摘した。
郭彦麟氏は、「Silitech の2008年~2010年成長状況は2001年~2004年時と酷似するだろう。この間、同社の売上高と利益の年間平均成長率(CAGR)はそれぞれ29%、83%に達し、全世界の携帯電話出荷量 CAGR(19%)を大幅に上回った」と指摘した。
Nokia の売上高に占める原価計算の約25%が日本円で計算されている。しかし過去6か月、日本円は対ユーロと米ドルに対してそれぞれ32%、18%上昇した。こうした状況下、Nokia は為替変動によって生じたコスト増に如何に対応するかが目下の急務となっている。
郭彦麟氏は、「現在、信越化学、Sunarrow をはじめとする日本企業の携帯電話用キーパッド(Keypad)世界シェアは50%以上に達している。Nokia が予定通り日系企業以外からの購買を増やすようであれば Silitech のシェアは2008年の16%から2009年には24%、2010年には31%に達すると予想される。Nokia のこうした動きは2008年下半期からすでに始まっているが、実際の効果は2009年下半期の新機種投入時点から顕著になってくるだろう」と指摘した。
また、「対日系企業との競争において Silitech の開発力が重要な役割を果たす」と、上述の郭彦麟氏は述べている。その他のキーパッドメーカーでは Ichia(毅嘉)が低価格品を中心に、フォックスコン、BYD(比亜迪)は中級品を中心に製品展開している。
このため Nokia が Silitech への発注を拡大する可能性が極めて高いと業界では見られている。因みに、台湾ドルは米ドルに対して過去6か月で10%下落しているため、単純に見れば Silitech の製品は6か月前と比較して対日系企業に対して28%価格競争力が高まったともいえる。
携帯電話市場は昨年初頭から徐々に停滞が始まり、9月以降は顕著な落ち込みを見せた。携帯電話販売世界上位5社も依然として在庫調整の最中にある。しかし Silitech の昨年第4四半期売上高は僅か4%の下落にとどまり、その他の大多数の携帯部品メーカーが20%~30%の下落を記録したのと比較して軽重な範囲に留まっている。
記事提供:EMS One
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