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2016/12/14

英大学と英ベンチャー、電気2重層キャパシターの容量密度を100倍に

英大学と英ベンチャー、電気2重層キャパシターの容量密度を100倍に

野澤 哲生
 2016/12/08 18:34


 英University of Surreyと英Augmented Optics社、およびAugmented Optics社の100%子会社である英SuperCapacitor Materials社、英University of Bristol2016125日、従来の100倍の容量密度を備えた電気2重層キャパシターを実現可能な電解質材料を開発したと発表した(発表資料)。電気自動車(EV)の航続距離を600km以上にできたり、スマートフォンを数秒で充電できたりする見通しという。

 電気2重層キャパシターは、正負の電極と電解液の界面に正負の電荷が集まることであたかも2重のコンデンサーが形成されたかのように電力が蓄えられるキャパシター。典型的な特性は出力密度が数kW/kg前後、エネルギー密度が数Wh/kgで、ちょうど一般的なコンデンサーとLiイオン2次電池(LIB)の中間的な特性といえる。ただ、こうした特性は中途半端ともいえ、用途は限られていた。

 今回開発した材料は、ソフトコンタクトレンズに用いる高分子材料から成るゲル。電気2重層キャパシターの電解質として用いることで、エネルギー密度を従来の約100倍の数百Wh/kgにできる見通しという。既存のLIBのエネルギー密度と比べても数倍と高い。出力密度の高さや充放電サイクルでの劣化がほとんどないという特性は従来の電気2重層キャパシターを引き継ぐ。

 この電気2重層キャパシターをEVに用いれば、ガソリン車の匹敵する航続距離を実現できるとする。「既存のEVはロンドンから(約90km離れた)ブライトンまでしか行けないが、この電気2重層キャパシターを使えば、ロンドンから(約600km離れた)エディンバラまで再充電なしで行ける」(University of Surrey)。しかも、1回の満充電に必要な時間は23分と、ガソリンの給油並みに短いという。


 Augmented Optics社とSuperCapacitor Materials社は自社では電気2重層キャパシターは製造せず、ゲルの材料を電気2重層キャパシターのメーカーに提供して共同開発する方針だとする。

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2016/11/25

スマホを数秒で充電&3万回以上充電可能な新しいバッテリー技術が開発される

http://gigazine.net/news/20161125-charge-mobile-seconds/



フロリダ大学の研究チームが、従来のバッテリーの充電時間と使用回数を大幅に向上させる新しいバッテリー技術の開発に成功しました。同研究チームの開発した技術を使えば、スマートフォンの電池を数秒で充電でき、かつ、3万回以上の耐久性を持つ電池の開発が可能になっています。

High-Performance One-Body Core/Shell Nanowire Supercapacitor Enabled by Conformal Growth of Capacitive 2D WS2 Layers - ACS Nano (ACS Publications)
http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/acsnano.6b06111

アメリカのセントラル・フロリダ大学ナノサイエンステクノロジーセンターの研究チームは、電気二重層という物理現象を利用して蓄電量を高めた「電気二重層コンデンサ」を一般的な電池と同じように使用できるようにする技術の研究を長年続けてきました。その電気二重層コンデンサの蓄電量をリチウムイオン電池と同等に使うには、コンデンサ自体が大きくなりすぎるという問題がありました。


しかし、研究チームはバッテリーの極をグラフェンに代表される二次元状のナノ素材でコーティングする技術を発案。この技術を用いて、二次元状のナノ素材でコーティングしたワイヤーを使った電気二重層コンデンサを開発したところ、電子の高速移動が可能になり高速充電が可能で高いエネルギーとエネルギー密度を備えた電気二重層コンデンサが完成したとのことです。

研究チームが開発した技術を使えば、3万回以上充電できる耐久性を持ち、さらにスマートフォンのバッテリーであれば数秒間でフル充電できる電池の開発が可能になります。

By www.Pixel.la Free Stock Photos

研究を率いたエリック・ヤング准教授は「二次元状のナノ素材を既存のシステムにどうやって組み合わせるかが長年の課題でしたが、我々が開発した化学合成法を使えば既存の素材と二次元状のナノ素材を適切に組み合わせることができます」と実験のブレイクスルーが化学合成にあったことを明かしています。

また、ヤング准教授は「小さな電子機器の場合であれば、我々が開発した技術はエネルギー密度・電力密度・安定性において既存の技術を大きく凌駕している」と話していますが、記事執筆現時点では実証モデル開発に成功した段階であり、商品化にはまだ長い時間がかかりそうです。

なお、研究チームは今回発明されたバッテリー技術の特許を申請している最中です。

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