amazon

twitter

※twitterでUCニュース配信はじめました。ユーザー名 a77a フォロー自由です

2008/08/07

東芝が安全な新型2次電池を量産開始、ハイブリット車向けも開発へ


「SCiB」の押し潰し試験結果(出展:東芝レビュー2008年2月号)

http://www.e2a.jp/review/080804.shtml
2008/08/05 11:27 リチウム・イオン電池と聞くと、家電機器を連想する人が多いが、最近では車への搭載も期待されている。今のところハイブリッド車などに搭載されている電池はニッケル水素電池が多い。そんな中、東芝が押し潰しても破裂したり、発火したりしない、新型二次電池「SCiB」を開発し、2008年3月に量産を開始した。カギを握ったのは、東芝が独自に開発したチタン酸リチウム(LTO)を主要材料とする負極材料である。SCiBの用途として、東芝は、電気自転車、電動バイク、電動フォークリフト、無人搬送車などを挙げ、さらにハイブリッド車、電気自動車向けSCiBの開発も積極的に取り組んでいる。量産化開始したのは、62(幅)×95(高さ)×13(厚さ)mmの手のひらサイズの二次電池である(図1)。容量は4.2Ah、電圧は2.4V、電池1個で10Whの電力を蓄えられる。最大充電電流は50A、最大放電電流は45Aである。50Aもの大電流によって充電できるため、5分間の急速充電が可能である。加えて、3000回の充放電を繰り返しても、容量の減少(性能劣化)はわずか10%である。従来のリチウム・イオン電池(500~1000回で30%程度の容量低下)に比べて極めて長寿命である。図2はSCiBを半径10mmの丸棒で押し潰した強制短絡試験の結果を示している。SCiBは完全に押し潰しても温度上昇が緩やかで、破裂したり、発火したりはしなかった。
今回開発した負極材料は、それ自体が燃えることのない熱的に安定な酸化物を主成分としている。電解液との反応性も低く、極めて安全性が高い。図3は、SCiBの酸化系新負極材料とカーボン系負極材(黒鉛)のそれぞれについて、リチウム吸蔵時の電解液との反応性を比較した示差熱分析結果である。カーボン系負極材は240℃に発熱反応の高いピークを呈するのに対して、酸化系新負極材料の発熱量は極めて低い。このため、酸化系新負極材料を採用したSCiBは、負極材と電解液の反応が引き金となる熱暴走の可能性は極めて低い。

図3:SCiBの酸化系新負極材料とカーボン系負極材(黒鉛)の示差熱分析結果(出展:東芝レビュー2008年2月号)
また、SCiBの負極の主要材料であるLTOは金属酸化物であり、黒鉛とは異なり、それ自体は導電性がない。このため、万一、正極と負極が短絡しても、流れる電流量は黒鉛と比べて小さい。その結果、内部短絡が発生しても局所的な温度上昇による発熱が抑制される。
-----------------------
東芝レビュー2008年2月号「安全性に優れた新型二次電池SCiB」

0 件のコメント: