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2008/12/09

【LAショー】BMW社、北米で500台の実証実験を実施する電気自動車「MINI E」を公開


http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20081121/161657/

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2008/11/21 18:47

図1◎「MINI E」
 ドイツBMW社は、2008年ロサンゼルスモーターショー(Los Angeles Auto Show 2008、一般公開日:2008年11月21~30日)で、小型車「MINI」の電気自動車「MINI E」を世界初公開した。

 ボディサイズは、「MINI Cooper」の北米仕様ガソリン車とほぼ同じで、全長3714×全幅1683×全高1407mmでホイールベースが2467mmとなる。ガソリン車との違いを強調するために、ルーフ両端やドアミラーを明るい黄色で塗装し、電源コンセントをモチーフとしたロゴをボディ各所に表示した。

 モータは、米カリフォルニア州に本拠を置くAC Propulsion社が開発。同社は1992年設立でAC誘導モータを使った電気自動車を手掛けるベンチャー企業。2006年には「scion xB」をベースとした電気自動車「eBox」を発表している。

 MINI Eは、最大回転数1万2500rpm、最大出力150kW、最大トルク220N・mのモータをボディ前部に搭載する前輪駆動車。5088個のセルを48のモジュールとしたLiイオン2次電池は車内の後席部分に配置され、容量は35kWh、質量は260kgとなる。車体総質量は「MINI One」より335kg重い1465kgである。

 BMW社によると、電池のセルは台湾のメーカーが製造し、電池全体の構造設計と最終組み立てはBMW社がミュンヘンで行い、車両全体の開発は英オックスフォードのBMW研究開発施設も協力している。BMW社内ではMINI Eを主体とした電気自動車開発を「project i」と呼んでいる。充電時間は、110V/12Aで23.6時間、240V/32Aで4.4時間、240V/48Aで2.9時間となる。満充電した場合、走行可能距離は240kmとなり、三菱「iMiEV」の160kmを大きく上回る。動力性能は、最高速度が152km/h、0-100km/h加速は8.5秒。

 ガソリン仕様に対する大幅な車両質量増加に伴い、サスペンションと横滑り防止装置の「DSC(Dynamic Stability Control)」は専用の設定とした。また、アクセルオフと同時にエネルギ回生による充電状態となる。BMW社の調査では米国の市街地走行の75%が、ブレーキを踏まない事前減速状態であるとし、その際の減速加速度は0.3Gとしている。

 BMW社は2009年から北米で、走行実証試験「MINI E Field Trial」を開始する。これは、一般ユーザーにMINI Eを月額850ドル(1ドル95円計算で約8万円)で1年間リース契約するもの。現在、ウエブサイト(www.miniusa.com)で参加者を募集している。応募資格は、ロサンゼルス都心周辺部、ニュージャージー、ニューヨークの都心周辺部に居住する人で、車両登録もカリフォルニア、ニュージャージー、ニューヨーク州に限定される。運転免許取得後5年以上で、事故暦がないことが条件。

 導入される車両台数は500台で、前輪フェンダー部分には、001~500のシリアルナンバーが表示されている。地域としては、カリフォルニア州内で約280台、ニュージャージーおよびニューヨーク州で約200台を計画している。募集は2008年12月10日で締め切られ、競争倍率は約100倍が予想されている。

 リース契約者の自宅にはBMW社が費用を負担して充電装置を設置する。なお、一部の建物では新たな電気工事は必要ないとしている。契約後、最初の6カ月または4800km走行時点で定期点検が義務付けられている。さらに、欧州でも同様の実証試験を行う予定だが、まだ国や地域は明らかにされていない。

 BMW社取締役開発担当のDr. Klaus Draeger氏は「BMWの事業開発計画は、短期的には『Efficient Dynamics』としてハイブリッド車、中期的には電気自動車、長期的には水素燃料車だと考えている。MINI Eは中期事業計画での最重要課題である。MINI Eの量産計画や価格はまだ決めておらず、これから実証試験で開発の方向性を確認していく」と語った。



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