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2008/12/19

【エコプロダクツ】ソーラー街路灯や草刈機など,Liイオン2次電池を搭載する新機器が続々


http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20081215/162864/?ST=device
2008/12/15 17:32

図1 三洋電機が出展したソーラー街路灯向けのLiイオン2次電池

図2 鉛蓄電池よりも利点が多いLiイオン2次電池

図3 三洋電機が出展した非常用電源

図4 富士重工業が出展した充電式草刈機
 「エコプロダクツ2008」(東京ビッグサイト・2008年12月11~13日開催)では,街路灯や非常用電源,草刈機などLiイオン2次電池を用いた新しい機器の展示が相次いだ。

 Liイオン2次電池メーカーの最大手である三洋電機は,Liイオン2次電池を搭載したソーラー街路灯や非常用電源を出展した。ソーラー街路灯は街路灯に設置した太陽電池により昼間に発電した電力を蓄電装置に貯蔵し,夜間照明として利用する製品である。ここ最近,地球温暖化への対応として,消費電力が低い白色LEDと組み合わせた製品の採用が拡大している。

 ただ,現状のソーラー街路灯は鉛蓄電池を搭載しているものがほとんどで,三洋電機はLiイオン2次電池への代替を狙っている(図1)。今回展示したのは試作品で「2~3年後には実用化したい」(担当員)とする。同社によれば,ソーラー街路灯に設置する場合,鉛蓄電池に比べて体積を1/2に,重さを1/3にできることから,これまでの蓄電池用の専用ケースが不要となり,太陽電池パネルの背面などへの取り付けが可能になるとしている(図2)。

 さらに,太陽電池パネルの背面に設置できれば,配線などを簡素化し,工事費を削減できる。加えて,Liイオン2次電池であれば,鉛蓄電池に比べて寿命を約2倍に延ばせることから,保守費用も削減できるなどの利点があるという。

重さ3kgの非常用電源
 一方,三洋電機が展示した非常用電源「KPS-L1」は2008年秋に販売を開始したもの(図3)。2007年8月にプレス・リリースした際には2008年1月に発売するとしていたが,仕様の変更などで半年ほど発売が遅れたとしている(関連記事)。KPS-L1は受注生産品で,これ以外でも医療や災害救急分野などに向けた仕様の製品があるという。

 KPS-L1は,外形寸法が250mm×219mm×85mmで重さが約3kg。電池容量は約130Whで電圧は25.2Vである。通常はコンセントに接続しておき,停電した場合などに,自動停電検知機能が働き,5分間のLEDライトの点灯と警告音で非常用電源がどこにあるのかを知らせてくれる。

 本体にはインバータ回路を搭載し,家庭用電源と同じ100Vの交流電源のコンセントを1口と, 携帯電話機などの携帯機器の充電に利用可能なUSBのコネクタを2口備える。充電は家庭用電源だけでなく,自動車で標準のDC12Vのシガーライター電源にも対応している。価格は受注生産のため受注量によって変わるが,10万円程度という。

騒音が少ない充電式草刈機
 このほか,富士重工業がLiイオン2次電池を用いた充電式草刈機を出展した(図4)。実は2007年2月から販売を開始しているもの。電力容量98.8Whで電圧26VのLiイオン2次電池を搭載する。草刈機の外形寸法は1840mm×630mm×405mmで,重さが6.5kg。このうち電池パックの重さは1.2kgである。Liイオン2次電池は NECトーキン製で,正極材料に安全性に優れるマンガン酸リチウムを採用しているため,60分での急速充電が可能である。連続駆動時間は約45分である。

 価格は11万3400円(税込み)と通常のエンジン機に比べて割高なため,現状では販売台数はさほど多くないという。ただ,同社が2009年に市場投入する電気自動車の販売台数が拡大すれば,同様の材料系のLiイオン2次電池を搭載することから電池の価格が下がり,より買い求めやすくなるとしている。


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