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2008/05/22

米国と欧州のナノエレクトロニクス技術の最近の商業化動向(EU)

http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/1022/1022-07.pdf?nem
(一部抜粋)
7. 超コンデンサー
大型の超コンデンサーの典型的な静電容量は、数千ファラッドで、5~10Wh/kg のエネルギー密度および5~10kW/kg の出力密度を持つ。因みに、リチウム金属ポリマーバッテリは、非常に多くのエネルギー(200~500Wh/kg)を蓄積するが、はるかに低い出力密度(150W/kg)しか持たない。超コンデンサーの開発は進歩しており、ポータブル応用、電圧サージ (ハイブリッド車を含む) および予備電力用途への可能性が期待されている。これは、米国の企業および研究機関が特に優勢な分野であり、新しい大表面積電極材料および新しい高電圧誘電体セパレータが集中的に研究されている。以下、最近の動きをいくつか示す。
●カリフォルニア大学 (デイビス、カリフォルニア州) の研究者は、薄膜電極を作るためにカーボンナノチューブの高密度コロイド懸濁液を使用した。作られた超コンデンサーは、30kW/kg までの出力密度を示した。フォスター・ミラー社( ウォルサム、マサチューセッツ州) が、単層CNT 基盤超コンデンサーの開発および生産のための材料製作サービスを提供している。
● マサチューセッツ工科大学 (MIT; ケンブリッジ、マサチューセッツ州) の研究者も、また、ナノチューブ強化超コンデンサーを研究している。彼らの研究は、電極を形成するために垂直配向カーボンナノチューブ基質を使用することで、リチウムイオン反応よりおよそ3 桁高い約60Wh/kg のエネルギー密度で出力密度100kW/kg を持った超コンデンサーが得られることを示した。MIT のアプローチは、ナノコロイド酸化アルミニウムの触媒で被膜されたシリコン基板上の単層CNTを熱化学蒸着法によって成長させるものである。
● また、斬新な超コンデンサーを開発しているのは、米国の新規企業のEEStor 社である。同社のアプローチは、超コンデンサーの動作電圧を増加させるものである。というのも、コンデンサーに蓄積されたエネルギーが動作電圧の2 乗で増加するからである。超コンデンサーの典型的な電圧は2~3V である。しかし、EEStor 社は、動作電圧 (3000 ボルト以内) の実質的増加を可能にする高k 誘電体として新しいチタン酸バリウム粉末を開発し、これにより、現在利用可能な超コンデンサーの約1 万倍にまで蓄積エネルギーを増加させ得ると報告した。電圧や温度が上昇した時にそのような高誘電率が維持できるかを含めて、同社の主張の妥当性を確認する証拠はまだみつかっていないが、注目する価値がある。


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