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2008/10/19

ACT,大容量のLiイオン・キャパシタを発売---エネルギー密度は電気2重層キャパシタの5倍

ACT,大容量のLiイオン・キャパシタを発売---エネルギー密度は電気2重層キャパシタの5倍

2008/10/17 08:00
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20081016/159714/?ref=ML
日本電子とアドバンスト・キャパシタ・テクノロジーズ(ACT)は,Liイオン・キャパシタ(LIC)を2008年11月より発売する。静電容量が5000Fの「A5000」,同2000Fの「A2000」,同1000Fの「B1000」の3種類のセル「Premlis」と,A5000を12個もしくは10個搭載した「キャパシタバッテリー」を製品化した。重さ当たりのエネルギー密度と蓄電容量は,A5000が25Wh/kgと8.3Wh,A2000が15Wh/kgと3.3Wh,B1000が15Wh/kgと1.7Whである。セルの動作電圧と動作温度範囲は,いずれのセルも2~4Vと-30~60℃となっている。A5000のエネルギー密度は「電気2重層キャパシタ(EDLC)の5倍程度と世界最高レベル」(ACT)だという。明言はしないものの,A5000の正極には日本電子が開発した非多孔性で高い静電容量を持つ「ナノゲートカーボン」を採用して,高エネルギー密度を実現しているとみられる。

 LICは,EDLCとLiイオン2次電池のハイブリッドともいえるキャパシタで,正極には活性炭を,負極には黒鉛などを用いている。EDLC並みの急速充電が可能ながらエネルギー密度はEDLCよりも高いのが特徴だ。一般にEDLCのエネルギー密度は数Wh/kg程度で,同じ蓄電容量なら数分の1に小型化できる。充放電のサイクル特性にも優れており,数万回の充放電を繰り返しても容量は数%しか低下しない。また,Liイオン2次電池のような熱暴走がないため,仮に短絡しても発火や爆発などには至らず安全性も高いとされている。

 サイクル特性の良さから,交換などのメンテナンスの手間が削減できるため,屋外で使う再生可能エネルギーの蓄電システムへの適用が期待されている。すでにLED照明機器メーカーが,Premlisを1セルと太陽電池パネル,LED照明を組み合わせた照明灯の開発を進めており,試作品が宮崎県に設置されている。九州地方の一部自治体でもその照明灯の採用を検討しているという。このほか,同社ではUPSなどの非常用電源や,小型携帯機器用の電源としての利用も想定している。現在は試作ラインによる製造だが,2009年度中に量産体制を構築し,2万個/月の供給体制を整えて「2010年には本格量産目指す」(ACT)。価格は明らかにしていないが,「将来的には2000円/Whが目標」(同社)だという。


吉田 勝=日経エレクトロニクス

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