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2008/10/06

クリーンエネルギーもエコカーもカギは電池が握っている:電池をめぐる大手企業とベンチャー


http://business.nikkeibp.co.jp/article/pba/20080929/171925/
2008年10月2日 木曜日 飯野将人,堤 孝志
NEXT BIG THING! ベンチャーキャピタリストはIT(情報技術)、バイオの“次に来る巨大潮流”を追い求めている。本稿ではNEXT BIG THING「クリーンテック分野」の投資で先行する海外(主に米国)事例を拙訳書『クリーンテック革命』(ファーストプレス)に触れながら紹介する。さらに、この分野はわが国にも先進的な事例がある。ニッポンの事例とニッポンの投資実務家の思いも語ろう。

 拙訳書『クリーンテック革命』の第7章は「モバイル」。モバイル機器ではなく、そういった機器を駆動する電源~リチウムイオン電池と燃料電池~のイノベーションを説明している。

 ここでは思い切って「モバイル」を「コンセントにつながっていないすべての機器を駆動する電源のイノベーション!」くらい、広く捉えてみよう。

 この分野も日本のメーカーの技術は世界的に先行してきたのだが、拙訳書『クリーンテック革命』は米国の事情ばかりが紹介されているので、今回から2回にわたって日本の事情を中心に触れたい。

で、今回はキャパシタとリチウムイオン電池。

そもそもバッテリーやキャパシタがクリーンテックと呼ばれる理由は、

1)太陽光発電パネルや風力発電タービンのような自然エネルギー電源と組み合わせる有効性が高い
2)電池の長寿命化によって廃棄物削減の効果がある
3)水素燃料による燃料電池は究極のクリーンエネルギーである
といったことが挙げられる。

 「クリーンテック革命」ではモバイル電源の技術開発が米軍の開発予算主導で行われている事情が強調されているが、「クリーン性」のメリットを考えれば軍事用途に限らず民生用途でも技術革新が不可欠であることは言うまでもない。


気まぐれな自然エネルギーのバックアップとして

 前章「スマートグリッド」で指摘した通り、風力発電や太陽光発電を大規模に導入するには、出力が安定しないことが大問題だ。系統電源は刻々変化する電力需要に応じて系統全体としての周波数と電圧を一定範囲に保つため、各発電所の発電量を制御しながら電力を供給する必要がある。

 ここで、お天気まかせで気まぐれな風力発電や太陽光発電が大量に系統に接続されると、供給力の波を平準化して需要に合わせるためのバックアップ電源が必要になる。この設備投資が莫大なことも電力会社が自然エネルギー電源の導入に二の足を踏む一因になっている。

 これを解消するため風力や太陽光などの分散電源の側で2次電池やキャパシタによる出力変動を制御する試みが行われている。現状では2次電池やキャパシタはコストや耐久性に問題があるが、機器の性能が向上し電池やキャパシタで経済的に自然エネルギーの出力変動を吸収できるようになれば、ポテンシャル需要いっぱいまで自然エネルギーを導入することも可能になる。

 すなわち、2次電池やキャパシタの性能が向上することが大規模な送電インフラにとって自然エネルギーが電力源の一翼を担う条件とも言えるのだ。


キャパシタの持つ可能性

 「キャパシタ」という言葉は「バッテリー」に比べて耳慣れない。

 電池(バッテリー)が電気を化学的なエネルギーに変換して蓄え、放電する時に電気エネルギーに再変換するのに対して、キャパシタ(コンデンサー)は化学反応を使わず絶縁された2枚の金属板の間に電気を電子の状態のまま蓄える。バッテリーのようなエネルギー変換プロセスがないので短時間で電気の出し入れができ、内部抵抗が低いので大電流の放出が可能だ。

キャパシタの技術トレンドは「電気2重層キャパシタ(EDLC)」。カーボン(炭素)を主成分とする電極とイオンを含む電解質で構成され、電気エネルギーを電極の表面に形成されるイオン吸着層(電気2重層)に蓄える仕組みだ。

 リチウムイオン2次電池よりも短時間で大電流の充放電が可能で、充電・放電を繰り返しても半永久的に使用可能。特に瞬時の充放電性は大きなメリットだ。

 例えばハイブリッドカーにEDLCを搭載すれば、ごく短時間の充電で運転可能になるほか、制動時の回生エネルギーを蓄電して加速時に瞬間放電することで加速性能を高めるといった使い方も考えられる。

 ただし、キャパシタは現状ではエネルギー密度(単位重量あたりの蓄電容量)がバッテリー(50-200Wh/kg)に比べて低い(数Wh/kg)ことが問題だ。バッテリー(リチウムイオン電池)は大型トラックのように容量は大きいが小回り(頻繁な充電放電)が不得意なのに対して、EDLCは軽自動車のように容量は小さいが小回り(頻繁な充電放電)が利くという特性があるのだ。

 これについてはちょうど1年前、米テキサス州のEEStor Inc.が開発した大容量キャパシタ(300Wh/kgという噂も。事実ならリチウムイオン電池も凌駕する驚きの大容量だ)を搭載したカナダのZENN Motor Company Inc.の電気自動車が、なんと5分間の充電で800kmの長距離走行を実現したという衝撃的な報道があり業界が色めきたった。その後「そんなの嘘っぱちだ」「いや、あり得るかも」と議論が絶えないが、通常の家庭用コンセントからの充電ではこの性能は出せないという制約つきながら、つい最近も改めてZENNが正式なプレスリリースでこの性能を追認している。

キャパシタとリチウムイオン電池のいいとこどり
 キャパシタ(EDLC)とリチウムイオン電池の優劣を論じるのではなく、それぞれの特性を生かして併用することも可能だ。夜間充電、昼間走行の電気自動車の主電源としてリチウムイオン電池を使いつつ、回生エネルギーの充電や放電によるドライビングレスポンスの向上の補助電源としてはキャパシタを使うといった具合だ。

 「モーターの回生エネルギーを再利用する」というと地味に聞こえるが、ここには莫大なポテンシャルがある。日本の年間電力消費量1兆kWhのうちモーターによる消費が半分以上。今日までの技術開発によって、モーター自体の効率化とモーターの駆動を制御する技術の効率は限界に迫っており、モーターが恒常的に回転している状態ではこれ以上の大幅な省エネルギーは望めない。

 しかしモーターは停止する際に大きなエネルギーを放出しており、大部分は廃熱として捨てられているのが現状だ。モーターの停止頻度にもよるが、電力消費量の30%近いエネルギーが熱として捨てられているとも言われる。仮にこれが電気2重層キャパシタ(EDLC)で再活用できるとなれば最大30%のエネルギー源ということだ。

 ハイブリッドカーや電気自動車のモーターだけでなくエレベーターの減速時の回生エネルギーを充電し上昇時の補助エネルギーに用いるなど、始動制動を繰り返すモーターすべてにキャパシタが活用され得る。

 キャパシタは多くの電子部品メーカーが古くから取り組んできた分野であり、NECトーキンのような大企業から、日本ケミコン、ニチコン、エルナー、ルビコン、指月電機製作所といった中堅老舗も多い。

 ただし、こうした老舗コンデンサーメーカーは、従来アナログ電子回路で直流電流を遮断するカップリングやデカップリング部品や、デジタル電子回路でICのノイズによる誤動作防止のためのバイパスコンデンサーとして使われる電子部品用途での開発製造を長く行ってきたものが多く、本章で紹介するように蓄電装置そのものとしての開発は、比較的新しい用途であることには注意が必要だ。

部材の開発競争には樹脂メーカーも参入
 部材の開発競争では、従来の電子部品メーカーの顔ぶれと異なる樹脂メーカーの参入も活発だ。

 EDLC向けセパレーターでは、日本板硝子が薄く微細な孔径の樹脂製多孔質フィルムを開発した。デュポン帝人アドバンスドペーパーはアラミド素材のシート状セパレーターで耐電圧、耐熱性を大幅に改善した。東洋合成工業は、感光材料で培った高純度精製技術を応用してEDLC向け電解液の材料となる高純度イオン液体を開発・量産している。

 日本電子はキャパシタの電極素材として従来の多孔質活性炭の代わりに非多孔質炭素素材を多孔化(「ナノゲートカーボン(R)」)して使う方法を開発し、エネルギー密度を従来比5倍程度に高めながら、コスト削減と量産プロセスの簡素化を実現した(現在は子会社のアドバンスト・キャパシタ・テクノロジーズが事業を継承)。最大 30Wh/kg までエネルギー密度を高めた高容量電気2重層キャパシタ「プレムリス」を2008年4月からサンプル出荷するという。太陽光発電用蓄電を主なターゲットとする。75Wh/kgという実験室でのエネルギー密度の水準を商用化できれば、電池を置き換える動きも加速しよう。

 パワーシステムは、日本電子と共同開発した非多孔質炭素素材を使いつつ、充放電制御の電子回路と組み合わせるシステムを「ECaSS(R)」としてシステム製品化している。

キャパシタのもう一段のステップアップのためのキーとなるエネルギー密度の向上には、電極容量あるいは動作電圧面でのブレークスルーが求められる。次世代キャパシタを目指した、新しい電極材料や電解液の研究開発は大学でも活発だ。

 山口大学の中山雅晴准教授は次世代方式として注目されるレドックスキャパシタの電極用のマンガン酸化物の電気化学的合成に成功した。マンガン酸化物は現在主流のカーボン比で容量が4倍の電極材料で、3ケタのエネルギー密度のキャパシタも夢ではない。


リチウムイオン電池は日本の大手メーカーが先行

 世界の充電池市場220億ドルのうち、鉛蓄電池が150億ドル。現時点ではリチウムイオン電池は70億ドル前後だが、今後はリチウムイオン電池が蓄電池市場で支配的になるのは確実だ。この分野は日本勢(三洋電機と東芝)が圧倒的シェアを誇っている。

 従来のノート型PCや携帯電話に加えてデジタルカメラやMP3音楽プレーヤーにもリチウムイオン電池が搭載され、今年からはスマートフォンやウルトラモバイルパソコン(UMPC)の市場が立ち上がり始めている。ちなみに昨年のウルトラモバイルPCの世界市場の規模は100万台規模だったが、今年は1000万~2000万台の市場と見込まれている。

 「iPhone3G」ばかりが喧伝されるスマートフォンも、米国でビジネス用途に普及したBlackBerryのように、選択肢が広く提供されることで改めて本格普及が期待される。

 こうしたモバイル機器向けではもちろん充電スピードや充電1回あたりの使用可能時間、充電放電を繰り返した場合の性能劣化等、我々ユーザーにお馴染みの性能改善競争が行われている。


ニッケル水素電池からリチウムイオン電池へ

 ハイブリッドカーに続くプラグインハイブリッドカーやフル電気自動車の普及の成否はバッテリーの開発にかかっている。現在はほとんどのハイブリッドカーと電気自動車はニッケル水素電池(市場規模9億ドルでトヨタ自動車子会社パナソニックEVエナジーがマーケットリーダー)を搭載しているが、今後は自動車向けでもリチウムイオン電池が支配的になるのは時間の問題だ。

 重量とサイズが同じ場合、リチウムイオン電池はニッケル水素電池の1.4~2.0倍の動力とエネルギーを供給できるし、コスト削減余地も大きい。自動車向けリチウムイオン電池の市場は2015年までに100億~150億ドル規模、2020年までには300億~400億ドルに達すると見られる(ドイツ銀行予測)。

 ただし自動車バッテリーはまだまだエネルギー密度が低い(=溜められる電気エネルギーが少ない)ので、同じ重量のガソリンや軽油の自動車よりも走行距離がはるかに短い。

 ガソリンには1kgあたり約13kWhのエネルギーがある一方、リチウムイオン電池は高性能のものでも1kgあたり0.17kWhと100分の1しかない。ガソリン自動車はエネルギーの15~20%しか走行に活用できないことを考慮しても1kgあたり2~2.6kWhの走行エネルギーがあるのに対し、モーターのエネルギー変換効率89%としても利用できるエネルギーは1kgあたりわずか0.15kWh。ガソリン燃料タンクの15~20倍の大きさのバッテリーがないと同じ走行距離を出せないということになる。

 仏ルノーの電気自動車Meganeに搭載されるNEC製のバッテリー(エネルギー密度0.14kWh/kg)の場合、22kWhのバッテリー容量を得るためには160kgものバッテリーを積まなければならないうえ、新品でフル充電でも160kmしか走行できない。車重が重くなったり空調や音響設備を使用したり、アップダウンの多い場所を走行したりすれば走行距離はどんどん短くなってしまう。

 とはいえ、現実的にはほとんどの場合、走行距離160kmもあれば十分とも言える。米国運輸省(DOT)が1990年に実施した調査では50%のドライバーが1日の走行距離40km以下、80%が80km以下に収まった。

 2007年のTransportation Energy Data Bookによると、米国の平均的な通勤距離は16km、1日の平均走行距離は50kmだった。まして欧州や日本はもっと地理的集中度が高く、ガソリン価格も高い。走行可能距離が短い電気自動車でも普及しやすい環境があると言える。EU(欧州連合)25カ国の1日の平均走行距離は27km。英国では自動車の移動の75%以上が16km未満、93%が40km未満だ。

 ハイブリッドからプラグインハイブリッド、さらにフル電気自動車に普及の中心が移るまでにはまだ多少の時間がかかるが、この間に走行可能距離が伸びるとか、運転用途別の車種の開発が進むとかいった具合に環境が整うと見られる。

 スマートグリッドの章や本章の前半でも触れたが、今後の送電系統には電力の供給の波と需要の波を監視しながら全体としてのバランスを取るインテリジェンスが要求され、前述のキャパシタのような設備が不可欠なのだが、考えてみれば電気自動車はそれ自体が電源装置のオバケとも言えるわけで、これが普及すれば家庭用コンセントに繋がれた電気自動車のバッテリーは送電系統を支えるインフラになる可能性がある。これは「V2G(Vehicle-to-Grid)」と呼ばれるコンセプトで、自動車からグリッドへの電力の融通を行おうというものだ。
一般的に小型車が運転されている時間は全体の4%に過ぎず残りの96%は車庫や駐車場で送電系統に接続される可能性がある。米カリフォルニア州の電力価格やニッケル水素電池を搭載したトヨタのRAV4電気自動車の能力とスループットを用いた試算で、自家用車を送電系統に繋いでバックアップ電源として活用すれば電気自動車のオーナーは売電から年間3000~5000ドル稼げるという試算もある(米デラウェア大学Willett kempton & Jasna Tomic, 2004)


リチウムイオン電池をめぐる、大手とベンチャーの動向

 リチウムイオン電池では三洋電機、ソニー、パナソニックの3社が世界シェアの6割超を握る。電池材料でもこれら大手と緊密な日本の素材メーカー各社が優位を保っている。リチウムイオン電池向け銅箔で世界シェア55%を占める古河電気工業が積極的な設備投資を行うほか、三菱化学や住友化学が2009~2010年に高出力の電極材の量産を開始する。またも三洋電機など電池メーカー各社が大型投資を予定しており、ダイナミックな分野と言える。

 また、自動車向けリチウムイオン電池の規格争いには「オートモーティブエナジーサプライ(日産自動車、NEC、NECトーキン)」「リチウムエナジージャパン(三菱自動車工業、GSユアサ、三菱商事)」「パナソニックEVエナジー(トヨタ、パナソニック)」の3陣営が名乗りを挙げており、この分野は日本勢が元気だ。

 この分野の技術開発もキャパシタ同様、電極(正極と負極)や電解質といった電池部材の素材開発競争の様相を呈しており、NECトーキンのような大手メーカーがこうした活況の主役になっている。例えば同社は、電動バイク、携帯電話やNGN(次世代ネットワーク)などの通信基地局向けバックアップ電源といった高出力大型機器向けの市場を想定して10アンぺア(従来品比2倍)以上の大電流を放電できる大容量マンガン・ラミネート・リチウムイオン電池を投入しようとしている。電極や積層ラミネートの構造を工夫し大電流放電を可能としたほか、マンガン酸リチウムに副材料を添加することで長寿命化を図る。

 大手メーカーがひしめくリチウムイオン電池業界にも、元気印のベンチャー企業がある。

 電気自動車の章でも紹介したモーター駆動のスーパーカー、「Eliica(エリーカ)」を開発した慶応大学発ベンチャーのエリーパワーが、大容量リチウムイオン電池の量産化と低コスト化に取り組んでいるのが有名だ。

 同社の代表取締役である吉田博一氏は住友銀行(現・三井住友銀行)の副頭取や住銀リース(現・三井住友銀リース)の社長・会長を経て、2003年からこのリチウムイオン電池開発プロジェクトを主導しているという、日本では稀有なベンチャー経営者だ。

 吉田氏の旗振りで、電気自動車Eliicaの開発と並行して大型リチウムイオン電池の標準化と大量生産のためのコンソーシアム「L2(エルスクエア)プロジェクト」が始動した。これは電気自動車用途に限らず定置用も含む広い用途で分野ごとに標準規格化を進めようとするものだったが、結局これを自社で進めるため、2006年9月、エリーパワーが設立されたのだ。

 同社は設立初期に大和ハウス工業、エネサーブ、大日本印刷といったリチウムイオン電池の低価格量産化に積極的な企業から出資を受けたほか、今年5月にはシャープと共同で太陽電池で発電した電力を蓄電する独立型蓄電システムを開発し、アフリカ開発会議と同時に横浜で開催された「アフリカン・フェア2008」で発表した。

 エナックスは、ソニーでリチウムイオン電池事業のプロジェクトリーダーだった小沢和典氏がスピンオフして設立したベンチャー。独自のLSB(Laminated Sheet Battery)技術で安全性、蓄電容量、出力のすべての面で画期的に向上させた製品を続々発売している。今年6月、自動車部品大手の独コンチネンタルが同社に16%出資して話題になった。独ダイムラーが2009年発売予定のハイブリッド車用電池を共同で開発生産する。

 従来からの対象である電子機器に加えて自動車やグリッドが加わることで、規模と成長性が非常に魅力的なキャパシタ及びリチウムイオン電池市場だが、競合相手は大手企業が多く、また顧客となる対象企業数が少なめであること(例:自動車メーカー)は、この分野のベンチャーにとっての最大の課題だ。エナックスのように海外メーカーもターゲットとすることで売り先の選択肢を増やすことは必須である。また、電極材料のメーカーではなく、それを強みとしたバッテリーメーカーになるといった具合に、少しでも下流まで手がけて、できるだけ他人への依存性をなくしておくことも重要となろう。


海外にはサービスフォーカスのベンチャーもある

 ニッポンのベンチャーはこうした「モノ作り」に焦点をあてたものが目につくが、海外に目を転ずるとサービス事業を展開する企業も活発だ。

 デンマークの風力発電事業者Dong Energyは、夜間に風力発電したエネルギーをBetter Place(覚えておられるだろうか? 「電気自動車の走行距離を売るビジネスモデル」の会社だ。Better Placeは自社でバッテリーを保有し、それをユーザーに提供することで走行距離を販売する。これは携帯電話会社が携帯電話とインフラを提供して通話時間分を課金するのと似ている)が保有する電気自動車のバッテリーに貯蔵し、風が弱まる日中に貯蔵エネルギーを利用する契約を結んだそうだ。

 新世代の電池は、クリーンテックの中でもとりわけニッポンが技術で圧倒的に世界に先行する分野だ。モノ作りも含め、多様なベンチャーが出てくると期待している。

次回も引き続き電池。今度は燃料電池。



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