amazon

twitter

※twitterでUCニュース配信はじめました。ユーザー名 a77a フォロー自由です

2009/04/15

リチウムイオンキャパシタ量産本格化


http://www.semicon-news.co.jp/news/htm/sn1833-j.htm

 高密度・大容量に強み
 瞬低、UPS、工場内搬送システムなど
 EV向けも視野

 リチウムイオンキャパシタの市場が本格化しつつある。背景には既存のリチウムイオン電池よりも高い耐久性と電気二重層キャパシタ(EDLC)以上の高エネルギー密度、高電圧など高性能特性がある。また、繰り返し寿命が長く、太陽光発電、燃料電池など再生可能エネルギーの蓄電デバイスとしても期待されるなど、環境対応デバイスとしても期待がかかる。2009年以降にも需要が拡大する兆しだ。
 用途は瞬時電圧低下補償装置、無停電電源装置(UPS)、工場内搬送システム、太陽電池など既存のEDLC市場が中心だが、より大容量化とコンパクト設計に対応できるのが強み。さらに、高エネルギー密度化や高出力密度化により、環境対応自動車でも特に高い蓄電性能が要求される電気自動車(EV)向けも視野に入ってきた。参入企業を見ると、JMエナジー、ACTが08年末から量産を開始したほか、FDKが09年春から量産をスタートする見込みだ。さらに、NECトーキンは12年をめどに事業化する計画。
 リチウムイオンキャパシタはEDLCの正極とリチウムイオン電池の負極を組み合わせた蓄電デバイス。EDLCの一種とも言えるが、EDLCが正極、負極ともにカーボン材料を使う「対称電極構造」を採用するのに対して、リチウムイオンキャパシタは負極にリチウムをプレドープしたカーボン材料を使う「非対称電極構造」が特徴だ。
 EDLCと同様に短時間で放出する大電流放電を特徴とし、また、二次電池のような完全な化学反応のみでないためリチウムイオン電池より寿命が長いほか、自己放電が少ないため長期電力貯蔵にも優れる。さらに、負極容量が増加するため、EDLCより高エネルギー密度(~4倍)を実現するほか、高電圧化も可能だ(EDLC 2.5Vに対し4V)。
 一方で、リチウムイオン電池のエネルギー密度が300Wh/Lに対し、一般的なリチウムイオンキャパシタが20Wh/L程度とエネルギー密度が低いのがネックで、いかに向上させていくかがポイントだ。また、既存のEDLCと比較した場合に充電時間が長いこと、サイクル寿命が短いなどの課題も指摘されており、今後、性能向上が本格普及のカギとなる。
 JSRの100%子会社JMエナジーは07年11月から山梨工場にてリチウムイオンキャパシタの量産を開始。生産能力は08年で年産30万セルだが、09年に60万セル、10年に120万セル、11年に240万セルと順次拡大していく。
 ACTは独自開発したカーボン材料「ナノゲートカーボン」を正極に、黒鉛系カーボンを負極にそれぞれ採用した「プレムリス」を06年に製品化。生産は日本電子内の試作ラインにて月産1000セル規模で行う。一方、09年度中には2万個の供給体制を整える計画で、本格的な量産ラインの建設も検討。
 FDKは今春からリチウムイオンキャパシタの量産を開始する計画。生産拠点は静岡工場。当初、月産数万個で生産を開始する見込みだが、12年までに20億円以上投資し、これを50万個体制にまで拡大していく。

0 件のコメント: