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2008/06/02

“バイク以上自動車未満”のモビリティ

http://techon.nikkeibp.co.jp/article/TOPCOL/20080530/152670/
2008/05/30 18:00林 達彦=日経Automotive Technology
 原油価格が1バレル135ドル(1バレルは159L)という最高値を付け、国内のレギュラーガソリン価格は6月に170円台となることが確実視されてきました。2007年には130円程度であったことから考えると、30%以上の値上げとなっています。仮に、1L当たり10km走行できる車で年間に1万km走行すると、必要なガソリン量は1000Lです。130円だったときには年間13万円だった支出が17万円になるというわけです。これで収まればよいのでしょうが、原油価格は1バレル200ドルという観測すら出ています。こうなると、ガソリン価格は国内で軽く200円を突破することになりそうです。先日、ベルギーから来たエンジニアによればガソリン価格は1.5ユーロ(日本円換算で245円)程度といい、既に欧州では200円を超えています。自動車技術の進化はハイブリッド車やアイドリングストップ車などの低燃費車を生み出しつつありますが、これだけ燃料価格の上昇が早くては技術も追いつけません。ハイブリッド車ではLiイオン2次電池の搭載による質量減が期待されていますが、早くても市場に登場するのは2009年ごろ。電気自動車も2010年ごろとすぐには出ません。結局、現在の自動車ユーザーは使い方を工夫する程度の対応しかとれないのです。さて、自動車よりもっと燃費のよいクルマとして2輪車が挙げられます。例えば、ホンダの「スーパーカブ」なら30km/h定地走行の値で116km/Lの燃費です。これは自動車と一桁違う数字。本来ならもっと活躍していてもよいはずです。ところか、都市部では駐車場不足などが原因となり、それほど使い勝手がよい乗り物とはなっていません。公共交通を除けば、自由な移動手段は徒歩、自転車、バイク、自動車ということになりますが、自動車やバイクがだめとなると、残るは徒歩、自転車だけ。これだけビジネスのスピードが速くなった現代で、昭和初期のような移動手段に頼るというのは寂しい限りです。トヨタ自動車の技監である渡邉浩之氏はある講演会で「平均車速とエネルギ消費率の関係を考えると現在の自動車は7倍に効率を高める必要がある」と述べています。現在、東京で「カローラ」に1人しか乗らずに車速20km/hで移動した場合、路線バスに乗客が6人しか乗らなかった場合と同じエネルギ消費率ですが、これは徒歩や自転車よりも単位時間当たりのエネルギ消費量で大きく劣っています。徒歩や自転車は速度が低いので、もう少し高い速度でもエネルギ消費率が現在の自動車ほど悪くないモビリティ手段が必要というわけです。こう考えると、キーワードになるのは「バイク以上自動車未満」の乗り物です。例えば、老人が近距離の移動手段として使う電動の車いすや、排気量50ccの原付き自動車などがこうしたジャンルに入るのでしょうが、もう少し格好良く言えば渡邊技監が提唱するような「1人乗りコミューター」になるのかもしれません。現在は法規制もあり、バイク以上自動車未満の車はなかなか作ることができず、アイデアを具現化することは困難です。しかし、ペダルをこがなくても電動アシストで走れる自転車、省燃費の小型ハイブリッド車や電気自動車など、バイク、自動車とは異なる新しい乗り物が必要なのではないでしょうか。環境が変われば、クルマも変わる。新しい技術の芽がどんどん生まれるような社会であってほしいものです。原油価格が1バレル135ドル(1バレルは159L)という最高値を付け、国内のレギュラーガソリン価格は6月に170円台となることが確実視されてきました。2007年には130円程度であったことから考えると、30%以上の値上げとなっています。仮に、1L当たり10km走行できる車で年間に1万km走行すると、必要なガソリン量は1000Lです。130円だったときには年間13万円だった支出が17万円になるというわけです。これで収まればよいのでしょうが、原油価格は1バレル200ドルという観測すら出ています。こうなると、ガソリン価格は国内で軽く200円を突破することになりそうです。先日、ベルギーから来たエンジニアによればガソリン価格は1.5ユーロ(日本円換算で245円)程度といい、既に欧州では200円を超えています。自動車技術の進化はハイブリッド車やアイドリングストップ車などの低燃費車を生み出しつつありますが、これだけ燃料価格の上昇が早くては技術も追いつけません。ハイブリッド車ではLiイオン2次電池の搭載による質量減が期待されていますが、早くても市場に登場するのは2009年ごろ。電気自動車も2010年ごろとすぐには出ません。結局、現在の自動車ユーザーは使い方を工夫する程度の対応しかとれないのです。さて、自動車よりもっと燃費のよいクルマとして2輪車が挙げられます。例えば、ホンダの「スーパーカブ」なら30km/h定地走行の値で116km/Lの燃費です。これは自動車と一桁違う数字。本来ならもっと活躍していてもよいはずです。ところか、都市部では駐車場不足などが原因となり、それほど使い勝手がよい乗り物とはなっていません。公共交通を除けば、自由な移動手段は徒歩、自転車、バイク、自動車ということになりますが、自動車やバイクがだめとなると、残るは徒歩、自転車だけ。これだけビジネスのスピードが速くなった現代で、昭和初期のような移動手段に頼るというのは寂しい限りです。トヨタ自動車の技監である渡邉浩之氏はある講演会で「平均車速とエネルギ消費率の関係を考えると現在の自動車は7倍に効率を高める必要がある」と述べています。現在、東京で「カローラ」に1人しか乗らずに車速20km/hで移動した場合、路線バスに乗客が6人しか乗らなかった場合と同じエネルギ消費率ですが、これは徒歩や自転車よりも単位時間当たりのエネルギ消費量で大きく劣っています。徒歩や自転車は速度が低いので、もう少し高い速度でもエネルギ消費率が現在の自動車ほど悪くないモビリティ手段が必要というわけです。こう考えると、キーワードになるのは「バイク以上自動車未満」の乗り物です。例えば、老人が近距離の移動手段として使う電動の車いすや、排気量50ccの原付き自動車などがこうしたジャンルに入るのでしょうが、もう少し格好良く言えば渡邊技監が提唱するような「1人乗りコミューター」になるのかもしれません。現在は法規制もあり、バイク以上自動車未満の車はなかなか作ることができず、アイデアを具現化することは困難です。しかし、ペダルをこがなくても電動アシストで走れる自転車、省燃費の小型ハイブリッド車や電気自動車など、バイク、自動車とは異なる新しい乗り物が必要なのではないでしょうか。環境が変われば、クルマも変わる。新しい技術の芽がどんどん生まれるような社会であってほしいものです。

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