http://www.nikkeibp.co.jp/style/eco/column/komoda/080924_nenpi/
●国によって異なる燃費の表示方法
燃費を良くするためには、運転するときに燃費を気にすることが重要なことだ。まず向上心を持つこと、そしてどうすれば燃費が良くなるかを考えること、さらにそれを実行することで良い結果が得られる。その話をする前に、「燃費」という言葉の定義を確認しておこう。燃費というのは省略した言葉だが、「燃料消費量」の略なのか、「燃料消費率」の略なのか? 消費量なら使用量の絶対値になり、何リッター使ったかという話になる。燃料消費率なら走行距離に対する使用量の関係を表している。一般的にはなんとなく両方の意味合いで使っているが、ここでは「燃料消費率」という定義でお話しする。燃料消費率を“良く”するには、同じ距離を走ったときに使用する燃料をいかに少なくするか、ということがテーマになる。それはドライブテクニックの一部である。一方、燃料消費量を“良く”するには「走らない」という選択肢も出てくるので、少しだけ意味合いが違ってくるというわけだ。
●日本式と欧州式を比較するときは要注意
燃料消費率を表す単位は、国によって異なる。
日本・・・「km/L」
北米・・・「MPG」
欧州・・・「L/100km」
日本式に燃料消費率を計算するには、走行距離「km」を消費した燃料「L」で割り算すればいい。北米式は走行距離「マイル」を消費した燃料「ガロン」で割り算する。日本式と北米式は基本的に同じ考え方で、単位が異なるだけだ。しかし欧州式は100km走行するのに何リッターの燃料を使用するか、という表し方なので、使用した量「L」を走行距離「km」で割り、100を掛けた数字になる。360km走行して30リッター消費したら8.3L/100kmということになる。もしこのとき36リッター消費したら10L/100kmになり、日本式と同じ数字(10km/L)になる。欧州式のメリットは消費率として分かりやすいことだ。でも日本人は日本式の単位に慣れているので、切り替えることは難しいだろう。欧州式は数字が小さくなることが良いことで、日本式は数字が大きくなることが良いことなので、注意が必要だ。ちなみに欧州には3リッターカーという構想がある。排気量が3リッターではなく、燃料消費率が3リッターなのだ。つまり3L/100kmのクルマだから、日本式に換算すると33.3km/Lということになり、かなり燃費が良いクルマのことだ。
●満タン法で燃費を計算してみよう
クルマの燃費はカタログなどにも掲載されているが、運転方法や道路状況などによって毎回変わる。自分で燃費を計算するには、消費した燃料の量と、走行した距離という2つの数字が必要だ。まずはサービスステーション(ガソリンスタンドを最近はこう呼ぶ。それはガソリンを入れるだけでなく、他のサービスもするからだ)で燃料を入れるとき、前回満タンにしてからどれだけの距離を走ったかをトリップメーターでチェックする。そして満タンに給油した後に、その給油量で走行距離を割れば燃費(km/L)が算出できる。これを満タン法と呼んでいる。この方法で計算するためには、満タンにしてから走り出す前にトリップメーターをゼロ戻ししておかなければならない。最近の日本車はトリップメーターが2つメモリーできるクルマが多い。トリップAとトリップBというように、トリップゼロ戻しボタンを押すごとに切り替わる。ゼロ戻しボタンを長押しすると表示されていたトリップ(AかB)がゼロにリセットできるタイプが一般的だ。満タンにするときの注意としては、給油ノズルを浮かせて燃料を給油口ギリギリまで入れないこと。燃料が熱で膨張すると、漏れてくる可能性があるからだ。どれくらいまで燃料を入れるかによって、燃費が違ってくる可能性があるのが満タン法だ。だからあくまで目安にしかならないが参考にはなる。ただし長期に渡って記録していれば、平均されて年間トータルの燃費はかなり正確になる。
このときの計算方法は 「年間の走行距離÷年間の給油量」 にする必要がある。
●オンボードコンピュータの活用方法
一番正確な燃費はオンボードコンピュータ(クルマに装備されているコンピュータ)の数字だ。これもリセットしてからの燃費を表示させることができ、走行中でもチェックできる。現在のエンジンはコンピュータ制御になっているから、どれだけ燃料を噴射したのかが正確に把握できている。それと走行距離もコンピュータでチェックできるから、自動的に計算し、ドライバーの要望に応じて表示できるのだ。平均燃費だけでなく、瞬間燃費も表示可能だ。アクセルペダルの踏み具合によって燃費の良し悪しがその瞬間にチェックできるので、アクセルオフのときの燃料カットも実感できるのだ。便利なオンボードコンピュータの機能のなかに、給油しないで走れる距離を表してくれる「航続距離(Range)」がある。残りの燃料と今の走り方(燃費)を換算して、航続距離を計算してくれるのだ。燃費の良い走り方をするとこの航続距離の数字が大きくなる。つまり走れる距離が長くなる。例えば東京から大阪に行くとしよう。ナビをセットして目的地までの距離を表示させておき、航続距離も表示させておく。このとき途中給油なしで走れる状態だからといって、エコドライブを意識せずに飛ばしていけば燃費が悪くなり、途中給油が必要になる。目的地までが250kmあるのに航続距離が200kmになってしまったら、途中で給油しなければならない。モニタの数字を意識しながらスピードを控えたエコドライブをすると、航続距離が延びてくる。目的地まで200kmになったときに航続距離が210kmに上がってくれば給油は必要なくなる。燃費の良い運転なら残りの燃料で走れる距離が長くなるからだ。こうした便利な機能を活用することも、エコドライブには効果的だ。自分のクルマではどんな方法で燃費を確認できるのか、チェックしておきたい。
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