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2008/09/24

ソーラータクシー 世界を行く


アメリカのメディアがソーラータクシーを取り巻く (swissinfo)

http://www.swissinfo.ch/jpn/front.html?siteSect=105&sid=9743498&cKey=1221730315000&ty=st
2008/09/19 - 15:26
世界一周を目指し、2007年7月にスイスのルツェルンを出発したスイス製のソーラータクシーがニューヨークに到着した。 潘基文 ( パン・ギムン ) 国連事務総長もお客として乗せたという。
世界各地で話題を呼ぶソーラータクシーはクリスマスにスイスに戻って来る予定。このタクシーの運転をするのはルツェルンの学校の教師だ。すでに28カ国、4万3000キロメートルを走破した。

世一周は子どもの頃からの夢
「ガソリンは一切使用していない。ソーラータクシーはスイスの時計と同じくその技術の正確さに信頼が置けることを示せた」
 と誇り高く語るのはルツェルンの教師、ルイス・パルメール氏 ( 36歳 ) だ。バッテリーがいっぱいなら、300キロメートルを最高時速90キロで走行できる。
 
 車での世界一周は子どもの頃からの夢だった。14歳で車のデザインも試みたという。大人になったとき、時代は温暖化が大問題になっていた。
「それなら、高い技術とクリーンなソーラーエネルギーを使った車で世界一周を果たせば、温暖化問題の1つの解決策を提示できるのでは」
 と考えた。

 自分を人類を救う救世者の1人だと思っていますかという質問に
「まったくそんなことは思っていない。ただエネルギー問題が危機を迎えている今日、さまざまな解決策が存在することを提示したかっただけ。そのデモンストレーションにソーラータクシーを企画した」
 と謙虚に、だが力強い答えが返ってきた。

タクシーのお客
 単なるソーラーカーで走る代わりに、タクシーにしたのは、多くの人の目を引くため。到着したさまざまな都市で「短距離を行ってくれ」と注文するさまざまなお客を乗せてきた。政治家、俳優、そして普通の市民たち。

 昨年12月、インドネシアのバリ島で行われた国連の温暖化防止会議では注目の的となった。ガソリン高騰の折、ニューヨークやほかのアメリカの都市でもメディアに取り巻かれる。
「世界各地で、温かい歓迎を受けた。ソーラータクシーは大きな反響を呼び、通りを行く人が、次々に質問しに近づいてきた」
 とパルメール氏は言う。

 アメリカでのお客の代表格は、何と言っても潘基文 国連事務総長。次いでニューヨーク市長、マイケル・ブルームバーク氏、映画「タイタニック」の監督、ジィムス・カメロン氏などがこれに続く。

ソーラーパネル以外はすべてスイス製 
 ソーラータクシーのスポンサーや製作協力者を探したパルメール氏だが、最終的に車体はルツェルンの工業高等学校とチューリヒ連邦工科大学 ( ETHZ/EPFZ ) 、およびスイスの幾つかの研究所が共同で製作した。ソーラーパネルはドイツ製だ。

 これはプロトタイプの試作品だが、製作者たちは技術的に大量生産にも何の問題もなく、1台およそ1万5000フラン ( 約150万円 ) で製作可能だと言う。

 また、燃料費も安く上がる。
「1ドル電気代を払えば、100マイル走れる」
 と、パルメール氏はアメリカ人たちに説明している。

 ニューヨークに着くまでに、ヨーロッパ、中東、アジア、オーストラリア、ニュージーランド、カナダを回った。アメリカから今度はアルジェリアに入り、スイスにはクリスマスに戻ってくる予定だ。

 こんな1年半もの大冒険の後には、空虚感に襲われるのでは?
「大丈夫。再生可能エネルギーで、80日間で世界を1周するという国際的な新しいプロジェクトに参加する予定だから」
 と元気な答えが返ってきた。 

swissinfo、リタ・エムフ、ニューヨークにて 里信邦子 ( さとのぶ くにこ ) 訳



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