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2008/08/27

日産、ラミネート型Liイオン2次電池の研究施設を公開


図1◎「バッテリーラボ」を公開し、Liイオン2次電池の構造および試作工程を説明した

http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080821/156677/
2008/08/21 12:56 日産自動車は2008年8月、先進技術説明会を開催し、HEV(ハイブリッド車)やEV(電気自動車)向けにLiイオン2次電池を開発する総合研究所の「バッテリーラボ」を公開した。この施設は電極材料などを調合して、小型のセルを試作し、特性を評価するためのもの。バッテリーラボで試作する電池は、HEVやEVに使われるセルよりも小型のサイズとなる。自動車用電池のセルは同社のラミネート型では数十cm角の大きさとなるが、こうした大きなセルを手作りするのは難しい。そこで、実際のセルとの相関が取れることを確認した上で、幅が10cm程度の小型セルを試作している。ラボには電極の活物質を調合するかくはん機やアルミシートに活物質を塗布する機械、そして塗布した活物質を均一の厚さにするプレス機などが置かれている。電極材料は、活物質、導電性を高める導電助剤、バインダを混合しているが、この配合を行った後にアルミシートに塗布する。正極材の活物質はマンガン酸リチウム(以下Mn系)で、負極剤の活物質は非晶質カーボンである。正極と負極が完成すると間にセパレータをはさみ、電流を取り出すためのタブと呼ぶ端子を設けて、それらを重ねて樹脂製フィルムでシールし電解液を封入する。その後、セルは充放電試験や解析によって特性を評価し、この結果を異なる材料や構造の開発に生かす。正極材料についてはMn系を使っているが、HEV用とEV用では配合する導電助剤(カーボン系)の割合が異なるとする。導電助剤を多く含むのはHEV用で、電流が取り出しやすくなるため出力を高められるが、活物質の量は減ってしまうので容量の点では不利。一方、EV用は導電助剤は少ないが、逆に容量は高めやすい。実用化に向けてはHEV用とEV用の2種類のセルを用意しており、EV用のセルと複数のセルを収納した電池パックも展示した。EV用のセルはエネルギを多く蓄える必要があり、活物質の量を増やしているためセルの面積がHEV用よりも大きくなっている。電池のスペックについては部分的な公開にとどまった。HEV用は瞬時に出力をどれだけ取り出せるかが重要で、その指標である出力密度は2500W/kgと「ティーノハイブリッド」に使われたものの2倍だという。一方、EV用では航続距離を伸ばすために蓄えられるエネルギが重要となる。この指標であるエネルギ密度は140Wh/kgまで高めたという。なお、正極材としてはMn系以外に、より安全性が高いとされる鉄系の材料も研究している。

図2◎ラボ内には写真に見えるかくはん機や活物質を塗布する機械、プレス機などがある

図3◎HEV用電池の電極は活物質(白色)に対して導電助剤(紫色)が多い

図4◎EV用電池の電極は活物質(白色)が多く導電助剤(紫色)は少ない

図5◎展示したEV用電池。セルの面積はHEV用より大きい

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