Photo: Isle of Man TThttp://wiredvision.jp/news/200807/2008071020.html
英国領のマン島で開催されている『マン島TTレース』は、モータースポーツの中でもとりわけ歴史が長く名高いレースだ。このマン島TTレースの歴史に、エコ意識の高いあるバイク好きが、「(CO2を)排出しない世界初の高速グランプリ」で新たな1章を加えたいと考えている。マン島で開催予定の『TTxGP』は、CO2を排出しない燃料を使用するオートバイと三輪車のレースだ。このレースは、従来のオートバイが時速約190キロを超える速度を出す、全長38マイル(約61キロメートル)の山岳コースで行なわれる。TTxGPを企画したAzhar Hussain氏は、ワイアードの取材に応えてこう語った。「このイベントでは、世界の強豪を相手に、最先端の技術やシステム、設計をテストできる。そうした環境で、マシンは短期間のうちに洗練され、改良されるだろう。これはつまり、クリーンな技術が通常よりも早く消費者に提供されることを意味する」なるほど、それは期待できそうだ。しかし、なぜアイリッシュ海の真ん中に浮かぶ島でレースを開催するのだろうか?『iPod』用やゲーム用のアクセサリーを製造する英Mavizen社の創設者の1人、Azhar Hussain氏によると、マン島には長い歴史と多様な魅力があり、大勢の観客に環境関連技術を披露できるので、開催地として申し分ないという。マン島TTレースは100年前から開催されてきたので、イベントを滞りなく実施するのに必要なインフラと人材がすでにある。Hussain氏がレースの競技をオートバイと三輪車に限定したのは、自動車と比べて製造費が安く、高速に達するのにそれほど馬力を必要としないからだ。「そのおかげで、TTxGP初のグランプリは、非常に広範な分野から大勢が参加できるレースになる」と、Hussain氏は語る。最終的な目標は、有害ガスを排出しないバイクレースのシリーズを創設すること。そして、対象を自動車にまで拡大したレースも適切な日時に開催することだ。TTxGPは、2009年6月12日(英国時間)に、マン島TTレースの締めくくりとして行なわれる。ルールはまだ策定中(Hussain氏によると、2008年7月中にはルールが決まる予定)だが、2つの部門に分かれる見通しだ。誰でも参加できる部門は、製造費の上限が6万ドルだが、「プロ」部門には予算の上限がない。これまでに、ロンドンのキングストン大学と、電動バイクの製造や電動車両の販売を手がける米Electric Motor Sports社(カリフォルニア州)の2チームがエントリーしている。『Isle of Man Today』紙によると、TTxGPはマン島の閣僚会議で「大筋で承認」されたという。 だが、コース担当事務職員のEddie Nelson氏は同紙に対し、TTxGPが開催されるかどうかはまだ確定していないと述べている。「言うなれば、まだ『絵に描いた餅』の状態だ。現時点では、間違いなく開催されるとは言えない。Hussain氏はアイデアを思いついて、それをわれわれの元に持ってきた。だが、アイデアと提案がもっと必要だ」。Nelson氏はまた、レースの参加者が何人になるのかわからないとし、「たったの5人だったらレースを開催するわけにはいかない」とも述べた。Hussain氏は、マン島TTレースの主催者から支援を受けており、TTxGPは計画通りに開催されると確信していると述べた。[最高時速約150キロメートル、1回の充電でおよそ180キロメートル走行できるという日本の電動バイク『EV-X7』についての日本語版記事はこちら][日本語版:ガリレオ-矢倉美登里 / 高森郁哉]
WIRED NEWS 原文(English)
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