図◎トランスファー・クレーンが稼働するコンテナ・ターミナル(左)と,トランスファー・クレーンに搭載した「SYBRID SYSTEM」(右)。
住友重機械エンジニアリングサービス(本社東京)は,トランスファー・クレーン搭載用のハイブリッド電源装置「SYBRID SYSTEM」を発売した(図)。トランスファー・クレーンは,コンテナ・ターミナルでコンテナの積み下ろしを行う機器。コンテナの巻き下げ時や減速時に発生するエネルギをリチウム(Li)イオン2次電池に蓄積し,巻き上げ作業時に使うことで,エンジン発電機の最大出力を約1/3に抑えられるという。この装置は,既存のトランスファー・クレーンにも搭載可能。従来のトランスファー・クレーンに比べて,燃料の消費量を平均59.2%削減できる。トランスファー・クレーンの仕様によって必要な機器は異なるが,同装置は主に,電源と制御盤,電池盤,昇降圧コンバータ盤,エアコンから成る。蓄電手段としてLiイオン2次電池を採用したのは,「高出力で繰り返し充電に適し」(同社)ているため。質量エネルギ密度が155kj/kgのジーエス・ユアサ パワーサプライ(本社京都市)製のものを使用する。ディーゼル・エンジン発電機の出力を1/3に抑えて小型化したため,燃料消費に加えてメンテナンス費用も減らせる。さらに,発電機のピークカットによってディーゼル・エンジンからの黒煙の排出量も削減した。同社がトランスファー・クレーンにハイブリッド技術を採用するのは,今回が初めて。既に,香港International Terminals社で稼働中のトランスファー・クレーンで評価試験を行い,15台を受注したという。なお,他社の例では2006年8月,TCMが安川シーメンスオートメーション・ドライブ(本社福岡県行橋市)と共同で,電気二重層キャパシタを使ったハイブリッド式トランスファー・クレーンを開発している(Tech-On!関連記事)。
0 件のコメント:
コメントを投稿