図1 Liイオン2次電池を使った可搬式電源装置
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080707/154421/
2008/07/07 17:07
九州電力は,北海道洞爺湖サミットで経済産業省が設置した「ゼロエミッションハウス」に,同社と三菱重工業で共同開発した可搬式の電源装置を展示した(図1)。同社が2008年5月に発表したLiイオン2次電池を使った可搬式電源装置のうちの一つで,AC100Vのコンセント2口×2個と,電磁誘導加熱(IH)方式のクッキング・ヒーターを搭載する。今回の展示では,夜間の深夜電力や太陽光発電を使って充電し,パソコンやマッサージ・チェアなどを駆動させた。もともとは,深夜電力や太陽光発電を利用して充電し,屋外イベント会場での調理時などに使うといった利用法を想定して開発した。最大出力は3kWと大きく,ガソリン・エンジンを使った発電機などと同様に使うことが可能。2次電池を採用しているため,騒音や排気ガスを生じない。最大電流はAC30Aで,1回路あたり最大15Aまで流すことができる。電力量は6kWhで,充電時間は8時間とする。外形寸法は955mm×550mm×850mm,質量は60kg。現時点ではLiイオン2次電池と電気回路でそれぞれ半分ほどの体積を占めているが,今後実用化に向けて内部の構造を工夫するなどして小型化を図るという。九州電力は,以前から三菱重工業と電力貯蔵用大型Liイオン2次電池を開発してきた。2005年度からは,いわゆる「オール電化」の一般家庭に向けた電力貯蔵システムを設置し,負荷平準化や非常用の電源としてフィールド試験を行ってきた。今回のゼロエミッションハウスは太陽光発電や風力発電の設備を備えており,もともとは家庭用の電力貯蔵システムを展示する予定だったという。しかし,家庭用電力貯蔵システムは規模が大きく,会場まで移築することが難しかったため,今回は可搬式の大容量Liイオン2次電池を展示するにとどめたという。
宇野 麻由子=日経エレクトロニクス
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